Mono統合開発環境「MonoDevelop 2.6」リリース、Gitサポートなど多くの新機能を追加

 米Xamarinは9月7日、Linuxで.NETアプリケーションを開発できるオープンソースの統合開発環境(IDE)「MonoDevelop 2.6」をリリースした。Gitサポートなど多くの新機能が追加されている。

 MonoDevelopはC#およびその他の.NET言語向けの統合開発環境(IDE)。Linuxで.NETアプリケーションやASP.NETによるWebアプリケーションを開発したり、「Microsoft Visual Studio」で開発した.NETアプリケーションをLinuxやMac OS Xにポーティングできる。ライセンスはLGPL2.1。Xamarinは米Attachmateによる米Novell買収を受け、Miguel de Icaza氏を中心としたNovellのMonoチームが立ち上げたベンチャー企業。

 MonoDevelop 2.6では、バージョン管理にGitを利用できるようになった。Javaで実装されたJGitをエンジンとして採用、ソースコードの管理に必要となる基本的なコマンドだけでなく、Gitのさまざまな機能をフルにサポートするという。また、ログ閲覧機能やblame(コードの指定個所についていつ誰が作業したものかを追跡する)機能がエディタに統合され、コンフリクトが検出されたときに表示されるコンフリクト解決ウィンドウも新たに追加された。

 プロジェクト管理機能では新たに.NET 4.0のサポートが追加され、「Visual Studio」プロジェクトとの互換性も改善した。バージョン2.4で導入されたポリシー機能も強化され、ユーザーによるポリシー定義も可能になった。設定したポリシーは全プロジェクトに適用するだけでなく、個別のプロジェクト単位で適用することも可能。

 ソースコード編集機能では、C#パーサーがMCSコンパイラベースのものに書き直された。最新のC#規格に適応したパースが可能となり、より正確なリアルタイム文法エラー追跡機能やコード整形機能が提供されるという。コード整形オプション設定ダイアログも改良され、またクラスやクラスメンバに関するXML形式のドキュメントを生成する「DocFood」アドインも追加された。

 デバッガも改良され、中間言語への逆アセンブリビューなどの機能が追加されている。

 そのほか、Mac版では「MonoMac」アドインが提供される。Mac OS XネイティブのCocoaツールキットを使用するラッパーを提供し、これを用いたアプリケーション開発を可能にするもので、Mac OS X用アプリケーションバンドルの作成も可能になるという。

 MonoDevelop 2.6はopenSUSE、Debian GNU/Linux、Ubuntu、Windows、Mac OS X向けのパッケージやソースコードなどがMono Projectのページで提供されている。利用には「Mono 2.10.4」と「GTK# 2.12.8」以上が必要。

米Xamarin
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MonoDevelop
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