Linuxカーネル3.1リリース、OpenRISCサポートやNFC対応などが特徴

 Linus Torvalds氏が10月24日、Linuxカーネル3.1をリリースしたと発表した。kernel.orgのダウンなどの影響により、予定よりも3~4週間遅れでのリリースとなっている。OpenRISCプロセッサのサポートやNFC対応、任天堂のWiiリモコンサポート、仮想化の強化などが特徴となる。

 Linuxカーネル3.1は7月にリリースされたLinuxカーネル3.0以来、3か月ぶりのリリースとなる。10回のRC(リリース候補)を経ての登場となる。主要な変更点としてはOpenRISCのサポートやライトバック機構のパフォーマンス改善、スラブアロケータの高速化、新しいiSCSI実装、NFCチップサポート、ソフトウェアRAIDでのバッドブロック管理機構、ユーザー空間で利用できる新しい電源管理ユーティリティ「cpupowerutils」、Wiiリモコンサポートなどが挙げられている。また、ext3ファイルシステムでは書き込みバリアがデフォルトで有効化されるようになっている。

 OpenRISCはOpenCoresプロジェクトによって開発されているオープンソースCPUで、その実装や開発ツール、ライブラリなどがすべてオープンソースで公開されている。現在成果物として「OpenRISC 1000」シリーズがリリースされており、Linuxカーネル3.1ではこれをサポートする。また、RAMからディスクにデータを書き出す「ライトバック」処理の制御機構が改良され、スループットが改善しているという。SMPでのスケーリング問題も修正されたとのこと。

 スマートフォンなどで採用されている近接無線通信規格「Near-Field Communication(NFC)」のサポートも組み込まれた。NFCはAndroidスマートフォン「Nexus」シリーズなどにすでに搭載されており、データ交換や決済のための機構として普及が期待されている。

 また、新たに追加された「cpupowerutils」は、CPUの動作をモニタして駆動周波数を動的に変化させることで消費電力を削減するツール。CPUはそのアーキテクチャごとに異なる手法で電力削減を図っており、また最近ではGPUが統合されたCPUも登場している。cpupowerutilsはこれらを単一のツールで操作・管理できるようにするものとのこと。

 そのほか、KVMでのNested VMXサポートやXen Balloonドライバでのメモリホットプラグサポートなど、仮想化機能も強化。セキュリティ機構「TOMOYO」も改良されている。

kernel.org
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Linuxカーネル3.1
http://git.kernel.org/?p=linux/kernel/git/torvalds/linux.git;a=commit;h=c3b92c8787367a8bb53d57d9789b558f1295cc96

kernelnewbies.orgによる変更点概要
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