米Adobe、「Flex SDK」をオープンソース団体に寄贈へ

 米Adobe Systemsが、Flashを利用したWebアプリケーション開発ツール「Flex SDK」を非営利のオープンソース団体Open Spoon Foundationに寄贈する計画を発表した。今後、オープン開発モデルの下でFlex SDKチームやコミュニティが共同で開発を進める。

 Open Spoon Foundationは、コミュニティによるソフトウェア開発を推進する目的で2011年7月に設立された非営利団体。

 Adobeは11月29日に予定している「Flex 4.6 SDK」のリリース後、オープンな開発モデルへと移行を進める。具体的には、Flexを同Foundationに寄贈し、新しいガバナンスモデルの下でFlex SDK開発チーム、Flexコミュニティの主要開発者、Flexを利用する企業顧客などが開発を率いる、と説明している。ガバナンス体系を確立後、開発ロードマップも公開していく。

 AdobeはFlexや「Flash Builder」へのコミットは変わらないとしているが、「長期的には、エンタープライズアプリケーション開発の最善技術はHTML5になるだろう」との見解を示している。Flexは「デスクトップアプリケーションが関連する大規模なクライアントプロジェクトにメリットがある」とも記している。

 HTML側では、WebKitやjQueryなどの技術への貢献、モバイル向けHTML5開発ツール「PhoneGap」の開発、HTML5でのアプリ構築ツールの開発などに取り組むとしている。

 PhoneGapはAdobeが買収したNitobiの技術で、Adobeは同社買収後、The Apache Software Foundationに寄贈している。

米Adobe Systems
http://www.adobe.com/

Open Spoon Foundation
http://www.spoon.as/