QEMU開発チーム、8年を経てバージョン1.0をリリース

 オープンソースのエミュレーターを開発するQEMUチームは12月1日、「QEMU 1.0」を公開した。プロジェクトがはじまってから8年を経ての正式版リリースとなる。

 QEMUは、Fabrice Bellard氏が非x86のLinuxプラットフォームでx86のLinuxバイナリを動かすためにスタートしたプロジェクト。その後対象を拡大し、14のアーキテクチャに対応、約400のハードウェアデバイスのシミュレーションが可能という。KVM、Xenなどのハードウェア仮想化技術にも対応している。ライセンスはGPL 2。ARMなどに対応することから、Android SDKもQEMUを採用している。

 QEMU 1.0は4回のリリース候補(RC)版を経てのリリースとなった。仮想CPUの実行に別々のスレッドを利用するよう変更され、新しいメモリAPIが加わった。すべてのイメージフォーマットで非同期をサポートし、CPUのサポートも増えている。SCSI関連では、ブロックデバイス・パススルーのサポートなどの強化が加わった。

 これらに加え、実験的に「Tiny Code Interpreter(TCI)」が搭載された。通常QEMUではシミュレートしているCPUの命令コードをホスト環境のネイティブコードに変換して実行するが、TCIでは中間コードに変換してコードを実行する。これにより、ネイティブコードジェネレータが利用できないプラットフォームでもエミュレーションが行えるようになるという。

QEMU
http://wiki.qemu.org/Main_Page

ダウンロード
http://wiki.qemu.org/download/qemu-1.0.tar.gz