仮想化環境の管理プラットフォームのoVirt、初のコミュニティリリースを公開

 仮想化環境の実装/管理プラットフォームを開発するoVirt Projectは2月9日、「oVirt 3.0」を公開した。初のオープンソースリリースとなり、oVirt設定と運用に必要な技術コンポーネントをそろえた。

 oVirtは米Red Hatが開始したKVM(Kernel-based Virtual Machine)ベースの仮想化環境プラットフォーム。仮想化APIのlibvirtをベースとし、KVMだけでなくXenなどほかの仮想化技術を用いた仮想マシンの管理も目指す。Red Hatのほか、米IBM、米Cisco、英Canonical、SUSE/Novell(米Attachmate)らがプロジェクトのボードメンバーを務める。Red Hatは2012年1月に、oVirt技術を組み込んだ「Red Hat Enterprise Virtualization v3」を発表している。

 初のコミュニティリリースとなるバージョン3では「JBoss Application Server(AS)7」上で動く管理システム「oVirt Engine」やFedoraをベースとする「oVirt Node」が含まれている。oVirt Engineはロッキングメカニズムなどの機能を持つサーバー仮想化管理システムとなり、oVirt Nodeはlibvirtとホスト仮想マシン機能を持つホストイメージで、oVirt Engineから管理できる。

 これらに加え、「oVirt Engine Software Development Kit」としてPythonベースの開発環境も提供する。これを利用してoVirt EngineのAPIを利用したソフトウェアを開発できるという。oVirt Nodeエージェントとして、ホストのストレージ、メモリ、ネットワークの管理やモニタリングなどの機能を持つ「VDSM 4.9.3.3」もサポートする。VDSMホストはこれまでRed HatのVirtualization Managerでしか利用できなかったが、oVirt Engineに登録できるという。

 oVirtはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Fedora 16向けのYumレポジトリも用意している。ライセンスはApache License 2.0。

oVirt Project
http://www.ovirt.org/

ダウンロード
http://www.ovirt.org/get-ovirt/