INRIA、CPUやGPUなど複数の演算プロセッサを効率的に利用するためのランタイムシステム「StarPU 1.0.0」を発表

 フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)のStarPU開発チームは3月29日、「StarPU 1.0.0」を発表した。CPUとGPU、コプロセッサといった複数の演算リソースを備える環境下でのプログラム実行を効率化するもので、タスクスケジューラやGCC拡張などを含んでいる。

 StarPUは、INRIAがNVIDIAの協力を得て2009年に正式にスタートしたプロジェクト。Cell SPUのような特定要素向けのプロセッサやGPGPUなどのベクトル処理プロセッサといったアーキテクチャの異なる演算装置を備える環境に向けたもので、アーキテクチャによる制限を越えた計算リソースの活用を図るもの。利用に向けたGCCプラグインが提供されている。

 StarPU 1.0.0ではNVIDIAのGPUやOpenCL実装プロセッサ、x86やPPCといったアーキテクチャのCPUをサポートする。Cellプロセッサも実験的ではあるが対応している。また、IntelのSCCとMICも対応予定という。OSはMac OS X、Linux、Windowsに対応する。

 StarPUはInriaのオープンソースプロジェクトのページより入手できる。ライセンスはLGPL。

 またINRIAではアプリケーションの振る舞いを視覚化する「ViTE(Visual Trace Explorer)」というツールもオープンソースで公開している。これによってStarPUによる性能を把握できるという。

StarPU
http://runtime.bordeaux.inria.fr/StarPU/

StarPUダウンロード
https://gforge.inria.fr/frs/?group_id=1570

ViTEダウンロード
http://vite.gforge.inria.fr/