月額1,450円(税込)でメモリ2GBを利用可能、WebARENAの新サービス「VPS エントリー」の性能をベンチマークでチェック 2ページ

VPS エントリーのスペックをベンチマークでチェック

 VPS エントリーは4月12日よりサービスが開始されており、申込み後すぐに利用が可能だ。そこで、VPS エントリーの実稼働環境でベンチマークテストを行い、そのスペックや操作感をチェックしてみた。

VPS ハイスペック(WebARENA SuitePRO V3)と同じ感覚で利用可能

 前述のとおり、VPS エントリーの基本仕様は従来提供されていたVPS ハイスペック(WebARENA SuitePRO V3)とほぼ同じである。Webブラウザから操作できるコントロールパネルも同一のもので、まったく同じ感覚で利用できる。OSのインストールや、サーバーの起動、初期設定などもまったく同じだ。これらについては「1Gbpsの高速なネットワークをゆったり利用できるNTTPCコミュニケーションズのVPSサービスを試す」記事で紹介しているので、興味がある方はそちらをチェック願いたい。また、実行するベンチマークテストについてはまったく同じものを実行している。

ネットワーク性能をチェックする

 VPS エントリーの特徴の1つは、バックボーンネットワークに1Gbpsで接続されている点だ。WebARENAはサービス開始当初から日本の大手回線事業者と広帯域の回線で接続している点をウリにしており、VPS エントリーでも高速な回線が期待できる。ベンチマークテストでは、クライアントからサーバーまでのネットワーク経路について、その回線速度や状況をチェックするツール「「Network Diagnostic Tool(NDT)」」を使用する。日本国内にあるNDTサーバーを利用し、VPS上でクライアントを実行してその通信速度をチェックしている。

 NDTの使い方については配布されているアーカイブ内ドキュメントで解説されているが、基本的にはソースコードをコンパイルし、「web100clt」コマンドを「-n <利用するNDTサーバーのIPアドレス>」オプション付きで実行するというものになる(リスト1)。

リスト1 NDTの実行例

$ ./web100clt -n 157.82.112.68
Testing network path for configuration and performance problems  --  Using IPv4 address
Checking for Middleboxes . . . . . . . . . . . . . . . . . .  Done
checking for firewalls . . . . . . . . . . . . . . . . . . .  getnameinfo(): Temporary failure in name resolution
getnameinfo(): Temporary failure in name resolution
Done
running 10s outbound test (client to server) . . . . .  516.59 Mb/s
running 10s inbound test (server to client) . . . . . . 657.70 Mb/s
The slowest link in the end-to-end path is a 1.0 Gbps Gigabit Ethernet subnet
Information: Other network traffic is congesting the link
Server '157.82.112.68' is not behind a firewall. [Connection to the ephemeral port was successful]
Client is probably behind a firewall. [Connection to the ephemeral port failed]
Packet size is preserved End-to-End
Server IP addresses are preserved End-to-End
Client IP addresses are preserved End-to-End

 リスト1中、赤文字で表示した個所がVPSからサーバー(外向き)、およびサーバーからVPS(内向き)の通信速度となる。この例の場合、前者が516.59 Mb/s、後者が657.70 Mb/sという結果となっている。NDTを異なる日、異なる時刻で3回計測した結果が表3だ。

表3 NDTによるネットワーク速度ベンチマークテスト結果
試行 外向き通信速度 内向き通信速度
1回目 516.59 Mb/s 657.70 Mb/s
2回目 541.39 Mb/s 744.07 Mb/s
3回目 535.22 Mb/s 729.58 Mb/s

 このように結果にややばらつきはあるものの、外向き通信速度は500Mb/s、内向き通信速度は650~750Mb/sといった通信速度が確認できた。

処理能力やストレージ性能をチェックする

 続いて、VPS全体の性能についてもチェックする。使用したツールは表4のとおりだ。

表4 ベンチマークテストで使用したベンチマークツール
ツール名 説明
Geekbench 2.2.6(x86_32) マルチプラットフォーム対応の総合ベンチマークツール
unixbench(BYTE UNIX Benchmarks) 5.1.3 古典的なUNIX系OS向け総合ベンチマークツール
FS-Mark 3.3 ファイル/ディレクトリアクセス速度をチェックするベンチマークツール
Threaded I/O tester(tiobench)0.3.3 ストレージへの並列アクセス速度をチェックするベンチマークツール

 まず、マルチプラットフォーム対応のベンチマークテストとして知られるGeekbenchから見てみよう。Geekbenchでは複数のベンチマークが含まれており、独自の「スコア」としてベンチマーク結果が表示される。ベンチマークテストの結果についてはResult Browserを確認してほしいが、トータルスコアは「4490」となった。VPS エントリーはVPS ハイスペックより後発のサービスであるためかCPUの処理性能が向上しており、その結果VPS ハイスペックよりもやや高いベンチマークスコアが得られる結果となった。

 また、同様にシステム全体のパフォーマンスを計測するUnixBenchのスコアは「1549.0」となり、こちらもVPS ハイスペックより高い値となっている。詳細なベンチマーク結果については記事末にリストAとして掲載しているので、そちらをご参照願いたい。

ストレージのアクセス速度をチェックする

 ストレージのアクセス速度については、「FS-Mark」というツールと、「Threaded I/O tester(tiobench)」というツールを利用した。FS-Markは指定したディレクトリ内に多数のファイルを作成してその処理にかかった時間を測定するツールで、Threaded I/O testerは複数スレッドから同時にストレージにアクセスする状況でのパフォーマンスを確認できるツールだ。ベンチマークテストの条件は次のように設定している。

FS-Mark:
 - 作成するファイルサイズ:1048576B(1MB)
 - 作成するファイル数:1000
Thraded I/O tester:
 - 同時にストレージにアクセスするスレッド数:32
 - 各スレッドがアクセスするファイルのサイズ:32MB

 テストはそれぞれ3回実行し、その結果をまとめたのが表5および表6だ。FS-MarkテストではVPS ハイスペックよりも劣る結果となり、またThreaded I/O testerではシーケンシャルな書き込みについてはVPS ハイスペックの半分程度という結果であったが、ランダムライトや読み込みについてはVPS ハイスペックと比較して遜色ない結果となっている。アクセス時の遅延についてもその平均は1ミリ秒以下と小さかった。この結果を見る限り、実際にWebサイトを運営した場合にストレージの性能が問題となることは少ないと思われる。なお、結果全文については記事末のリストBリストCをご参照願いたい。

表5 FS-Markの実行結果
試行 結果
1回目 51.8ファイル/秒(51.8MB/秒)
2回目 54.9ファイル/秒(54.9MB/秒)
3回目 56.6ファイル/秒(56.6MB/秒)
表6 Threaded I/O testerの実行結果
試行 書き込み速度(シーケンシャル) 書き込み速度(ランダム) 読み込み速度(シーケンシャル) 読み込み速度(ランダム)
1回目 126.432 MB/s 383.259 MB/s 3021.175 MB/s 2394.315 MB/s
2回目 145.984 MB/s 440.749 MB/s 3206.578 MB/s 2261.829 MB/s
3回目 129.394 MB/s 597.083 MB/s 3164.000 MB/s 2209.300 MB/s

VPS ハイスペックと比較してパフォーマンスの差は少なめ、コストパフォーマンスは高い

 以上のベンチマーク結果を見る限り、VPS ハイスペックとVPS エントリーではその性能差は大きくない。一方、価格はVPS エントリーのほうが大幅に安く、コストパフォーマンスの高いサービスとなっている。ただし、VPS エントリーはストレージ容量が10GBと少なめで、またストレージとメモリ(CPU)ともに容量変更ができない点がネックにはなるだろう。また、VPS ハイスペックは3世代にわたる自動バックアップを行えるバックアップオプションが可能だったが、こちらもVPS エントリーでは利用できない。そのため、大容量のデータを扱い、また定期的なバックアップが必要なサービスを運用するならVPS ハイスペックを検討したほうが良さそうだ。一方、大容量のストレージやバックアップが不要な個人ユーザーや開発・検証用途であればVPS エントリーはおすすめできるサービスである。ちなみに、VPS エントリーからVPS ハイスペックへはオンラインでIPアドレスの変更なしにスムーズに移行できる。

 なお、VPS エントリーについては試用サービスが用意されていないが、ほぼ同機能のVPS ハイスペックについては10日間の無料お試しサービスが提供されている。スペックについては両者に大きな差はないので、VPS エントリーを検討している方はお試しサービスでその機能をチェックしてみると良いだろう。

NTTPCコミュニケーションズ VPS エントリー
http://web.arena.ne.jp/suitepro/