多数の改良が加えられた「jQuery Mobile 1.1.0」リリース

 jQuery Mobile開発チームは4月13日、「jQuery Mobile 1.1.0」をリリースした。「jQuery 1.7.1」に対応し、またツールバーで「position:fixed」指定が利用できるようになるといった変更が加わっている。

 jQuery MobileはjQueryベースのモバイルWebフレームワークで、タッチスクリーンを備えるスマートフォンやタブレット用のHTML5アプリケーション開発に向けたもの。AppleのiOSやGoogle Android、BlackBerry、Microsoft Windows Phone、Symbianといった主要モバイルプラットフォームに対応する。

 jQuery Mobileは2011年11月に初となる正式版(バージョン1.0)がリリースされたが、jQuery Mobile 1.1.0はそれ以来の正式版リリースとなる。jQuery 1.6.4に加え、jQuery 1.7.1もサポート、固定ツールバー、ページ遷移などが大きな変更点となる。

 固定ツールバーは、これまでのJavaScriptベースのものからCSSの「position:fixed」指定を用いたものに変更された。「position:fixed」指定は一部のモバイル向けのWebブラウザではサポートされていなかったため、jQuery MobileではJavaScriptで動的に要素の位置を変更することで同等の機能を実現していた。最近では「position:fixed」が多くのモバイル向けWebブラウザでサポートされるようになったための変更だという。これによって固定ツールバーの振る舞いがをこれまで以上に自然になり、同時に軽量化も実現されたという。最新の固定ツールバーはiOS 5、Android 2.2/2.3、Android 3系タブレット、Android 4系などで利用できる。ただし、iOS 4などまだ一部非対応のプラットフォームもあり、これらに対してはツールバーがページとともにスクロールする旧式のアプローチにフォールバックするという。このフォールバックは外部オプションとして提供される。

 ページ遷移も一新され、画面の遷移がより高速かつスムーズになった。中でも、AndroidにおけるCSSキーフレームアニメーションのレンダリングについては性能が大幅に改善されたという。Windows PhoneのMetro UI風のページ効果「Turn」、そしてページがズームできるiOSのタブ切り替え遷移に似た「Flow」という2種類の遷移も新たに加わっている。

 これらに加え、Ajaxローダーの強化、ミニフォーム要素の導入なども特徴となる。また、カスタムビルド構築のための「Custom Download Builder」も発表された。現在限定アルファの状態で、間もなく一般登場予定としている。

 最新版リリースに合わせ、開発チームはjQuery Mobileのバージョン間のマイグレーションを支援するため、最新の「ThemeRoller Mobile」も提供する。1.0のテーマのインポートを容易にすることで、1.1へのマイグレーションをスムーズに行えるという。

jQuery Mobile
http://jquerymobile.com/