オープンソースのWebアクセス解析ツール「Piwik 1.8」登場、新機能はアクセスログ解析機能やDo Not Trackサポートなど

 オープンソースのWebアクセス解析ツール「Piwik」開発チームは6月1日、「Piwik 1.8」をリリースした。Piwikは対象とするWebサイトに計測用JavaScriptコードを埋め込んで利用するタイプのアクセス解析ツールで、リアルタイムの解析レポートや現代的なユーザーインターフェイスが特徴。Piwik 1.8ではDoNotTrack機能(DNT)をサポートするなど多数の新機能が加わっている。

 PiwikはPHPで実装されたWebアクセス解析ツールで、すでに32万以上のWebサイトで利用されているという。解析対象のWebサイト内に解析用のJavaScriptコードを埋め込むことでWebサイト訪問者の動向や情報を取得する。「Google Analytics」のオープンな代替製品を目指しており、開発者らによると「解析データがユーザーのサーバーに蓄積され、ユーザーがすべての情報をコントロールできる」点がGoogle Analyticsと異なる点だとしている。また、サイト訪問者へのプライバシも配慮し、訪問者から解析対象のWebサイトに関する情報以外を収集することがない点も強調されている。ライセンスはGPLv3。

 Piwik 1.8は、2月に公開したバージョン1.7以来のメジャーリリースとなる。サーバーログのインポート機能が加わり、「AWStats」や「Webalizer」、「Urchin」といったログ解析ソフトウェアを置き換えることができるという。この機能はベータテスターによって検証済みで、すでに複数のWebホスティング企業がAWStatsの代替としてPiwikを使っていると報告している。

 プライバシー関連では、Webブラウザ側の設定でトラッキングを拒否する「Do Not Track(DNT)」がデフォルトで有効となり、Webブラウザ側でDNTオプションを有効にしているユーザーに対してはトラッキングを行わないようになっている。

 ユーザーインターフェイスも継続して改善しており、詳細なレポートを表示する「Row Evolution」機能や、1つのグラフに複数の項目を並べて表示・比較できるようにする機能も追加されている。

 このほか、ダッシュボードや管理、レポートなどの機能や性能が強化された。また、クロスサイトスクリプティング(XSS)脆弱性など重要なセキュリティ修正も加わっている。

 開発チームは3日、重要度の低いバグを修正した「Piwik 1.8.2」をリリースしている。Piwik 1.8.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Piwik
http://piwik.org/