モジュラー化やCSSベンダープレフィックス自動化が加わった「jQuery 1.8」

 JavaScriptライブラリ「jQuery」開発チームは8月9日、最新版となる「jQuery 1.8」をリリースした。多数のバグ修正のほか、セレクタエンジンの高速化や細かな機能強化が行われている。

 jQuery 1.8は、2011年11月に公開されたバージョン1.7以来のメジャーアップデート版となる。160以上のバグを修正し、コードサイズも1.7.2と比較してコンパクトになっている。Internet Explorer 6/7/8サポートも継続されている。

 アップデートによる改善点としては、まずセレクタエンジン「Sizzle」の再設計による高速化が挙げられる。最近のWebブラウザではCSSセレクタベースで要素を取得するための「querySelectorAll」メソッドが提供されるが、実装が異なるために互換性の面でやや問題があるという。Sizzleではこういった非互換性に対応できるとしている。アニメーション関連のコードもバグ修正などによってクリーンになったとのこと。既存のコードも変更なしに実行でき、その動作は高速化されるという。

 CSSプレフィックスの自動化も導入された。.css()や.animate()といったメソッドでCSSプロパティを扱う際、Webブラウザごとに適切なベンダープレフィックス(-webkit、-mozなど)が自動で追加されるようになった。また、$(html, props)関数がより柔軟になり、利用できるjQueryメソッドやプラグインの制限がなくなった。あらゆるメソッドやプラグインが利用できるという。

 モジュール化機能も改良され、新しいビルドシステム「grunt」を使うことで不要なjQueryコンポーネントを無効化できる。モジュール化については、今後開発を進めてさらに強化していくとしている。

 jQuery 1.8はjQueryのWebサイトからダウンロードできる。また、GoogleやMicrosoftも再配布を行っており、近いうちにこれら各配布サイトからも入手可能になる見込み。

The jQuery Project
http://jquery.com/