米Netflix、Amazonクラウド向けのミッドティア負荷分散技術「Eureka」をオープンソースで公開

 オンラインでのDVDレンタルや動画ストリーミングサービスを提供する米Netflixは9月4日、「Eureka」をオープンソースとして公開した。Amazon Web Services(AWS)クラウドサービス向けのロードバランス・フェイルオーバーツールとなる。

 Netflixは社内でAWSを多用しており、EurekaはAWSが提供しないアプリケーションサーバーなどミッドティアのロードバランス機能として社内開発した技術。AWSクラウド内の同社のインフラにとって重要なコンポーネントと説明している。

 Eurekaはレジストリ「Eureka Server」とJavaクライアント「Eureka Client」で構成され、RESTベースのAPIで操作できる。Eureka Serverはサービスの場所を探し、ミッドティアサーバーの負荷分散とフェイルオーバー機能を提供する。Eureka Clientはサービス間のインタラクションを容易にし、基本的な負荷分散機能も備える。ライセンスはApache Licence 2.0

 Netflixは同じくオープンソースのクラウド実装ツール「Netflix Asgard」の補完として利用しているほか、分散型データベース「Apache Cassandra」のメンテナンスや、Memcachedベースのキャッシュストレージ「Evcache」サービスでのノード検出などでEurekaを利用しているという。

 AWSが提供する「AWS Elastic Load Balancer(ELB)」との違いについては、AWS ELBがエンドユーザーのWebトラフィックに関するもので、プロキシベースの負荷分散ソリューションであるのに対し、Eurekaはインスタンス/サーバー/ホストレベルであると説明している。また、サーバーの可用性に関する情報がクライアント側にキャッシュされていることから、ロードバランサの障害に対する耐性をアプリケーションに持たせることができる点も違うという。

 Netflixでは今後、Netflix AsgardとEurekaの統合、高度な負荷分散ソリューションなどの強化を行っていく予定という。

米Netflix
http://www.netflix.com/

EurekaのGitリポジトリ
https://github.com/Netflix/eureka