Luaスクリプティング機能などを実装したメジャーアップデート版「Redis 2.6.0」がリリースされる

 Key-Valueストア「Redis」開発チームは10月23日、最新の安定版となる「Redis 2.6.0」をリリースした。サーバーサイドでのLuaスクリプティングサポートやメモリ消費量の改善など、特徴的な新機能追加や機能強化が行われている。いっぽう、バージョン2.4で非推奨となった仮想メモリ機能は削除されている。

 RedisはANSI Cで書かれたデータベースシステム。クエリにSQLを用いない非SQL(NoSQL)型データベースで、全データをメモリ内に格納することによる高速な動作を特徴としている。プロジェクトは米VMwareの支援を受けており、BSD Licenseで提供されている。

 Redis 2.6.0は2011年10月に公開されたバージョン2.4以来のメジャーリリース。本バージョンでの特徴的な新機能としては、Luaスクリプトをサーバー上で実行する「eval」コマンドの実装がある。Lua 5.1に対応し、LuaスクリプトからRedis内に格納されているデータを操作することも可能。Redisデータ型からLuaのデータ型への変換は自動的に行われるという。

 そのほかの新機能としては、キーの有効期限を秒単位ではなくミリ秒単位で設定/確認する「PEXPIRE」や「PTTL」コマンド、ビット操作を行う「BITCOUNT」や「BITOP」といったコマンドも追加されている。追記専用のAppend Only File(AOF)やデバッグコマンドのMONITORなども改善されている。同時に、2.0で導入され、2.4で非推奨となった仮想メモリ機能は削除されている。

 そのほかの改善点としては、クライアントの接続上限数が無くなった点やクラッシュレポートの改善、統合メモリテスト機能、クラスタ機能Redis Clusterに向けたコア部分のリファクタリング/リライトなどが挙げられている

 開発チームはRedis 2.6について成熟度がより向上した実装とし、運用環境で動かす上での安全性が高いバージョンとしている。今後のタスクとして、Redis ClusterやRedis Sentinel、バージョン2.8のリリースを挙げており、特にRedis Clusterについては数か月で登場するとの見通しを示している。

 RedisはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Redis
http://redis.io/