Oracle、Red Hat Enterprise Linuxのカーネルに加えられた個別の修正を公開するGitリポジトリ「RedPatch」を公開

 米OracleのKspliceチームは9日、米Red HatがRed Hat Enterprise Linux(RHEL)でLinuxカーネルに加えた修正を個別に確認できるGitリポジトリを提供する「RedPatch」プロジェクトを公開した。

 Red Hatは2010年11月に公開されたRHEL 6から、「競合への対処」を理由としてカーネルソースコードのリリース方針を変更した。以前はオリジナルのLinuxカーネルと変更点ごとに分割されたパッチがセットで配布されていたのだが、RHEL 6以降はパッチ適用済みソースコードのみが配布される形になり、個別のパッチについては公開されなくなった。この形式でのソースコード配布はGPL違反ではないが、個別の変更点が分かりにくくなるという問題があり、一部で批判の声が上がっていた。

 RedPatchはこの問題の解決を狙うべく、OracleのKspliceチームが公開したもの。Kspliceは2011年7月にOracleによって買収された企業で、カーネルの再起動無しにカーネルへのパッチ適用を可能にする技術「Ksplice」を開発している。KspliceチームはRed Hatがカーネルのソースコード配布方針を変更した2011年から、RHELのカーネルソースコードについて変更点を個別の小さなコミットに分割する作業を行っていたとのこと。Oracleはこの成果物はLinuxコミュニティにとって有益なものになると判断、リポジトリをRedPatchとして一般にも公開することになったという。

 RedPatchプロジェクトではGitリポジトリとともに、Webブラウザ上でソースコードやコミットなどを確認できる「gitweb」ツールでのリポジトリの公開や、ディスカッションのためのメーリングリストの提供も行われている。

RedPatchプロジェクト
https://oss.oracle.com/projects/RedPatch/

米Oracle
http://www.oracle.com/

Ksplice
http://www.ksplice.com/