MediaWiki拡張の「Semantic MediaWiki 1.8」が登場

 Wikipediaプロジェクトの母体であるWikiMedia Foundationは12月2日、Wikipediaで使用されているWikiソフトウェア「MediaWiki」に向けた拡張機能「Semantic MediaWiki 1.8.0」を公開した。プロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

 Semantic MediaWiki(SMW)は主にPHPで作成されたクロスプラットフォームツール。SMWを利用することで、MediaWikiで提供するコンテンツに、タグとして意味的注釈(Semantic Annotation)を追加でき、これを利用することでコンテンツの構造化や加工、検索といった処理を容易に行えるようになる。また、RDF(Resource Description Framework)経由でコンテンツを外部のサイトやシステムが利用することも可能になる。元々はカールスルーエ大学で開発され、MediaWikiが主体となりオープンソースプロジェクトとして開発が進んでいる。ライセンスはGPLv2。

 SMW 1.8.0は2012年3月に公開されたバージョン1.7.1以来のメジャーリリースとなる。対応するMediaWikiは1.17以上に変更されており、1.19以降と完全互換性があるという。デフォルトのデータベースレイアウトも変更されている。

 すべてのクエリからデータを収集可能となり、収集情報にクエリをかけてWikiで使われたクエリの全体図を得られるようになった。また、複雑なデータ構造向けの#subobject関数では、空のサブオブジェクト名サポートなどの強化が図られている。新しいアウトプットフォーマットも加わっている。

 このほか、キャッシュメカニズムの改善によりデータベースの読み込みが高速になったほか、データベースのテーブルレイアウトの改善により、ストレージの利用も効率化されているという。JSON出力なども改善されている。

WikiMedia Foundation
http://wikimediafoundation.org/

Semantic MediaWiki
http://www.semantic-mediawiki.org/