Active Directoryのドメインコントローラ機能をついにサポートした「Samba 4.0」が登場

 The Samba Teamは12月11日、Sambaの最新版となる「Samba 4.0」をリリースした。SambaはUNIX/Linux環境に向けてWindows互換ファイル共有やプリントサーバー機能、ドメイン参加機能などを提供するソフトウェア。Samba 4.0では「Microsoft Active Directory」のドメインコントローラ機能が実装されるなど、多数の新機能が導入されている。

 SambaはWindows環境とLinux/UNIX系環境が混在する環境を構築するためのソフトウェア。UNIX/Linux環境でWindowsのファイル共有機能やプリンタ共有を利用するための機能や、UNIX/LinuxマシンをWindowsドメインに参加させるための機能を持つ。ライセンスはGPLv3。

 Samba 4.0はSamba 3系と並行して開発が進められており、約10年という長い年月が開発に費やされている。特徴的な新機能としては、Windows 2000 Server以降でサポートされたActive Directoryドメインのドメインコントローラー機能実装が挙げられる。Samba 3系でもActive Directoryドメインへの参加はサポートされていたが、Samba 4.0ではこれに加えて初めてUNIX/LinuxマシンをActive Directoryドメインコントローラとして利用できるようになった。Microsoftがサポートする全バージョンのWindowsクライアントに向け、Active Directory互換のドメインコントローラーを提供するために必要な技術をすべて備えるという。

 Active Directoryが持つグループポリシー、移動ユーザープロファイル、Windows管理ツールといった機能をサポートし、Microsoft Exchangeとの統合も可能。OpenChangeなどのフリーソフトウェア互換サービスとも統合できるという。既存のActive Directoryドメインとも統合できる。開発チームは、3系が提供するWindows NTドメインコントローラー機能から4系にスムーズにアップグレードするスクリプトも提供する。

 そのほか、Microsoftのファイル共有プロトコルServer Message Block(SMB) 2.1に対応、SMB 3.0の初期サポートも実現した。SMB 3.0は今後Samba 4系での対応を進めていく予定。クラスタについては、オープンソースとして公開しているTDBデータベースのクラスタ実装技術clustered tdb(ctdb)を利用して、クラスタ構成のSMB 2/SMB/CIFSファイルサーバーの拡張性と性能を改善するという。これらに加え、全体の安定性と性能、セキュリティも強化したという。

 Samba 4.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Samba
http://www.samba.org/