Linuxカーネル開発で大きな貢献をしてきたAlan Cox氏がLinux開発から一線を退くことを表明

 LinuxカーネルのメンテナーなどLinuxカーネルに大きな貢献をしてきたAlan Cox氏が1月23日、自身のGoogle PlusのページでLinux開発から一線を退くことを発表した。雇用先である米Intelからも退職するという。氏は理由として「家庭の事情」を挙げている。

 Cox氏はイギリス・ウェールズ在住のプログラマー。早くからLinuxカーネル開発に携わっており、Linus Torvalds氏に次ぐ存在とされてきた。ネットワーク関連のバグ修正などを行ったほか、バージョン2.2系のメンテナンスを担当、2.4系では独自バージョンを管理した。米Red Hatに2009年まで所属、その後Intelに勤務しながらカーネル開発に携わった。

 Cox氏は引退の理由について、「ちょっとした家庭の事情でLinux界とIntelから退く」と記している。「“家庭の事情”というのは通常、“上司が嫌だ”というのが本当の意味だと知っている。Linus(Torvalds氏)のことを嫌だと思うことはままあるが(だからこそ、Linusはカーネルディレクターとしては優れているのだ)、本当に家庭の理由だ。LinusやIntelに愛想を着かしたからではない。それどころか、とても楽しく仕事をしてきた」とCox氏。なお、「将来、復帰するかもしれない」とも付け加えている。

 Cox氏はその直前に、公開されたばかりの「Fedora 18」について、「私が知っているRed Hatディストロの中で最悪だ」と発言し、話題になった。