米Red Hat、リアルタイムOS拡張「Red Hat Enterprise MRG 3.2」リリース、カーネルはLinux 3.6ベースに

 米Red Hatは3月6日(米国時間)、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)ベースのリアルタイムOS環境アドオン「Red Hat Enterprise MRG 2.3」を発表した。Linuxカーネルのバージョンが3.6にアップデートされたほか、全コンポーネントで機能強化が図られている。

 Red Hat Enterprise MRGは、メッセージング(M)、リアルタイム(R)、グリッド(G)の3つのコンポーネントで構成される拡張機能。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)などと組み合わせて利用する。低遅延のレスポンス時間、高スループット、グリッドスケジューラーなどの特徴を持つ。金融サービスなど遅延の許されない分野で利用されている。

 Red Hat MRG 2.3は、2011年にリリースされたバージョン3系の最新版となる。Linuxカーネルが3.2から3.6にアップグレードされており、最新のドライバや安全性の向上といった特徴を利用できる。また、ネットワーク経由で高精度に時刻の同期を行うIEEE 1588 PTP(Precision Time Protocol)サポートを技術プレビューとして実装した。分散システムでNTPを上回る時刻精度を実現できるという。

 グリッド関連では、RHELのリソース割当管理機能であるコントロールグループ(cgroup)、Kerberos統合などを強化した。ワークフロー管理、ダイナミックリソース向けの設定なども大きく改善したという。メッセージング関連ではアクセス制御リスト(ACL)でユーザー当たりの数と容量の上限を設定する機能やワイルドカード関連の強化を図った。ロギングでも、接続に障害が発生した際のユーザーのIPアドレス情報の取得などの機能が加わった。

 Red Hat MRG 2.3はRHEL 6.2以上に最適化されているが、RHEL 5.7でも利用可能。また、メッセージングやグリッド関連の一部機能はWindows上でも利用できる。

Red Hat Enterprise MRG
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米Red Hat
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