「GTK+ 3.8」リリース、Wayland 1.0に正式対応

 The GTK+ Projectは3月25日、マルチプラットフォーム対応のGUIツールキット「GTK+」の最新版「GTK+ 3.8」をリリースした。これまで実験的だったWaylandが正式サポートとなっている。

 GTK+は当初はオープンソースのフォトレタッチソフト「GIMP」用のツールキットとして開発されたGUIツールキット。ライセンスはLGPL。C/C++のほか、PythonやPerlなどの軽量言語から利用するためのバインディングなども提供されており、迅速なアプリケーション開発が可能。GIMPのほか、GNOMEデスクトップ環境の基盤としても利用されている。

 GTK+ 3.8は2012年10月に公開されたバージョン3.7以来の最新版となる。Wayland 1.0サポートにより、これまで実験的だったWaylandサポートが正式機能となった。WaylandはX Windows Systemの代替として注目を集めているLinuxデスクトップ向けディスプレイサーバーで、QtもWaylandのサポートを行っている。また、WebブラウザからGTK+アプリケーションへのアクセスを可能にするHTML5バックエンドの「Broadway」では、新たに独自のサーバーであるbroadwaydが導入された。

 そのほか、Window Managerフレーム同期のためのプロトコル(ドラフト)をサポート、コンポジターとアプリケーションとの間で作業の同期を改善し、描画をスムーズにするという。性能関連ではサイズ割当の最適化、サイズグループの性能改善、GtkLabelなどのウィジェットでのテキストレンダリングの最適化などが強化点となる。

 テーマも改善し、CSSのようにフォントファミリーやフォントサイズの設定が可能になっている。また、半透明設定がトップレベルに加えてGtkWidgetでも行えるようになった。ジオメトリ管理も改善されている。

 GTK+ 3.8は、GTK+ ProjectのWebサイトなどから入手できる。

The GTK+ Project
http://www.gtk.org/