LinuxでZFSを利用するための「ZFS on Linux」、「実用段階」というバージョン0.6.1が公開される

 ZFS on Linuxプロジェクトは3月28日、ZFSのLinux向けポーティングの最新版「zfs-0.6.1」を公開した。デスクトップからスーパーコンピューターまで、幅広い環境で利用できる段階に達したという。

 ZFSは米Sun Microsystems(現在は米Oracleに吸収合併されている)がSolaris向けに開発した高機能ファイルシステム。ZFS on Linux(ZoL)は、このZFSをLinuxで利用するために発足したプロジェクトとなる。「Solaris Porting Layer(SPL)」をベースとしたZFSポートで、Linuxのカーネルモジュールとして実装されているため性能に優れるという。

 ZFSがLinux上で実際に利用できる段階となってから2年以上が経過しており、zfs-0.6.1ではデスクトップからスーパーコンピューターまで幅広い環境で利用できる段階に達したと報告している。また、バグフィックスに加えて新たに「snapdev」プロパティが導入された。これはzvolスナップショットデバイスの可視性を管理するもので、表示(「visible」)/隠す(「hidden」)の設定が可能。デフォルトでは「hidden」に設定されており、この場合は/devディレクトリ下にzvolスナップショット用の領域を作成できなくなるという。Linux 3.9サポートも加わった。

 なお、GPLv2で提供されているLinuxカーネルに対し、ZFSはSun Microsystemsが策定したCommon Development and Distribution License(CDDL)で提供されている。そのためカーネルのバイナリの一部としてZFSを配布することはできないが、バイナリモジュールやソースコードの形で配布することは可能だという。

 ZFS on LinuxはプロジェクトのWebサイトより入手できる。Red Hat、CentOS、Debian GNU/Linuxといったディストリビューション向けのパッケージも用意されている。

ZFS on Linux
http://zfsonlinux.org/