分散バージョン管理システム「Git 1.8.3」がリリース

 5月24日、オープンソースの分散型バージョン管理システム(VCS)「Git 1.8.3」がリリースされた。GUIツール「gitk」が大きく改良されたほか、bashなどでのキー入力補完を行うための設定ファイルのアップデートなども行われている。

 Gitは高速な動作を特徴とする分散型VCS。Linuxカーネルの開発に利用するためにLinuxの開発者であるLinus Torvalds氏が開発を開始し、現在はJunio C Hamano(濱野純)氏がメンテナを務めている。小規模プロジェクトから大規模プロジェクトまで、さまざまななプロジェクトで利用できるよう設計されており、ライセンスはGPLv2。現在では多くのオープンソースソフトウェア開発プロジェクトで利用されている。

 Git 1.8.3は2012年10月に公開された1.8系の最新版となる。コマンドラインシェル上でのキーワード補完を行うための設定ファイルが改良されたほか、「git bisect」や「git log」、「git clone」、「git merge」、「git pull」、「git difftool」など多数のコマンドが強化された。たとえば、git bisectではbisectログファイルで最後の結果をコメントとして残す機能が加わった。「–git send-email」機能における–annoateオプションに関するデフォルト設定を変数で指定することも可能になっている。

 GUIツールのgitkではrevert機能の導入、日付表示の改善などが加わった。MercurialレポジトリおよびBazaarレポジトリをクローンできる拡張「remote-hg」および「remote-bzr」も強化されている。性能も強化され、コードのクリーンアップも行われている。バグも多数修正されている。

 GitはLinuxおよびMac OS X、Windowsなどで動作する。バイナリおよびソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Git
http://git-scm.com/