新JavaScriptエンジン「OdinMonkey」を搭載した「Firefox 22」リリース

 Mozillaは6月25日、Webブラウザ「Firefox 22」をリリースした。最新のJavaScriptエンジン「OdinMonkey」によりJavaScriptの実行性能が向上したほか、Webブラウザ間でプラグインなしにリアルタイムチャットなどを可能にする「WebRTC」サポートも加わった。Android版も同時にリリースされている。

 5月中旬に公開されたFirefox 21以来、ちょうど6週間での最新版リリースとなった。新機能として、新たなJavaScriptエンジンOdinMonkeyが加わった。より高速に実行できるJavaScriptのサブセット「asm.js」をサポートするJavaScriptエンジンで、これを利用することで開発者は3Dゲームや写真加工処理といった負荷の高いアプリケーションを、プラグインや追加機能を利用することなく直接JavaScriptで実装できるという。C/C++で書かれたコードをasm.js対応コードに変換するクロスコンパイラ「Emscripten」を利用することで、ゲームのようなアプリケーションをWebアプリケーションとして実現できるという。

 もう1つの新機能がWebRTC(Web Real-Time Communications)のサポートだ。Webブララウザ間での音声や動画を利用したコミュニケーションをプラグインなしに可能にする標準技術で、Webアプリケーションに組み込むことでリッチでインタラクティブなWebサイトを提供できる。音声・動画通話やチャット中のファイルの送受信といったことが可能になり、また端末(デスクトップやモバイルなど)やOSを問わずに利用できるという。現時点で正式版でWebRTCをサポートしているブラウザは、Firefoxのみ。

 これらの新機能に加え、Windows版ではOSで設定した画面スケーリングオプションに従うようになり、高解像度の画面では文字を大きくするなどのことが可能になった。また、HTML5のaudioとvideoの再生速度が変更できるようになったほか、Canvasの非同期更新によりWebGLの描画性能が改善した。Web Nortification API、clipboardData APIなども追加された。以前から物議を醸していた、サードパーティCookieのブロックもデフォルトで有効になっている。DOM関連APIなど、いくつかの非標準JavaScript APIの削除も行われた。

Mozilla
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「Firefox 22」ダウンロード
http://www.mozilla.org/en-US/firefox/all/