英Canonicalが開発中のモバイルOS「Ubuntu Touch」、Androidの事前ブートなしに利用可能に

 英Canonicalの開発者は7月3日、同社が開発するモバイルOS「Ubuntu Touch」での進展として、直接のブートが可能になったことを発表した。従来はAndroidを起動したのちにchrootを使ってUbuntu Touchを起動するという手順だったが、この作業が不要になる。

 Ubuntu TouchはCanonicalが開発中のスマートフォンとタブレット端末向けのOS。Canonicalは2月に、Google Nexus向けに開発者向けプレビューを公開している。

 これまでのUbuntu Touchでは、「CyanogenMod」というAndroidベースの環境をまず起動し、そこでchrootを使ってUbuntu Touchを起動するという形を取っていた。いっぽう、新しいUbuntu Touchでは「Flipped Images」と呼ばれるイメージが提供されており、こちらを利用することで直接Ubuntuがブートできるようになる。ただし、いくつかのハードウェア機能にアクセスするためには依然Anddroidが必要で、Androidが完全に不要になったわけではないとのこと。Android環境が必要な場合、LXC(Linux Containers)と呼ばれる仮想化技術を使ってUbuntu内でAndroidを起動させられるという。

 新方式は同日より、Ubuntu Touchのデイリービルド(Ubuntu Touch 13.10「Saucy Salamander」)で採用されており、Ubuntu Touchがサポートするmaguro(「Google Nexus」)、mako(「Nexus 4」)、manta(「Nexus 10」)、grouper(「Nexus 7」)で動作検証済みという。充分に動くレベルではあるが、これまでと同じ完成度ではないとしながらも、こちらの方がアーキテクチャ上望ましいためデフォルトにした、と記している。開発チームは数日内に新しい方式にポートするためのチュートリアルを公開する予定。

 Ubuntu TouchのデイリービルドはUbuntu Touchのプロジェクトページからダウンロードできる。

Ubuntu Touch
https://wiki.ubuntu.com/Touch

英Canonical
http://www.canonical.com