テキストエディタ「Vim 7.4」リリース

 テキストエディタ「Vim」開発チームは8月10日、最新版「Vim 7.4」をリリースした。バグ修正が中心のリリースとなるが、正規表現エンジンの刷新といった機能強化も加わっている。

 VimはUNIXで古くから使われているテキストエディタ「Vi」から派生した高機能テキストエディタ。Viを補完する機能セットやスクリプトによる拡張機能を備えており、またターミナル上で動作するCUI版だけでなくGUI版もリリースされている。ライセンスはGPL互換の「Charityware」という独自ライセンスを採用、UNIX/LinuxだけでなくWindowsやMacなどさまざまなOSをサポートする。

 Vim 7.4は2010年8月に公開された7.3に続く最新版となり、2回のベータリリースの後に公開された。大きな変更点としては、新しい正規表現エンジンの導入やPythonインターフェイスの改良が挙げられている。新しい正規表現エンジンではステートマシン(state machine)ベースのアルゴリズムを採用しており、複雑な正規表現や長いテキストに対するマッチ速度が向上しているとのこと。また、これにより長い行を含むJavaScriptやXMLファイルのシンタックスハイライトが改善されているという。

 また、Pythonインターフェイスではpython-bindeval関数やpython-bufferで利用できるpython-versオブジェクトの追加などが行われている。いっぽうでPython 2.2以前のサポートは削除された。

 そのほかの変更点としては、非GUI版のVimで選択範囲をOSのクリップボードに自動的にコピーする機能や「shiftwidth」設定値の追加、いくつかの新しい関数やコマンドの追加、さらに多くのバグ修正も行われている。

 VimはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。ソースコードのほか、Windows向けのバイナリインストーラやMac向けのGUI版(MacVim)もリリースされている。

Vim
http://www.vim.org/