Webデザインフレームワーク「Bootstrap 3.0」リリース、フラットデザインやレスポンシブデザインがデフォルトになる

 Webデザインフレームワーク「Bootstrap」の開発チームは8月19日、最新版となる「Bootstrap 3.0」を公開した。新コンポーネントやアイコンセットの追加やグリッドデザイン機能の強化などが行われている。また、フラットデザインが取り入れられ、モバイル向けにレスポンシブデザインがデフォルトとなるなど、デザイン面でも多くの変更が加えられている。

 BootstrapはWebサイトやWebアプリケーションの構築に向け、統一的なデザインを実現するCSSや各種UIコンポーネントを実現するためのJavaScriptを提供するフレームワーク。当初は米Twitterが同社サービス内で利用していたものだが、現在は独立したオープンソースプロジェクトとして開発およびその成果物の公開がされている。利用にはjQueryが必要で、ライセンスはApache License 2。Google ChromeやSafari、Firefox、Internet Explorer、Operaなどの主要なWebブラウザをサポートする。

 Bootstrap 3.0は、2012年1月末に公開されたバージョン2.0以来のメジャーアップデート版となる。Bootstrapがオープンソースとして公開されてちょうど2周年にあたる日にリリースされた。多くの変更点があるが、大きなものとしてはデザインの改善やモバイル対応の強化、グリッドシステムの改良、新たなアイコンセットの導入、ナビゲーションバーやモーダルダイアログの改良、新コンポーネントの追加およびいくつかのコンポーネントの削除などが挙げられている。また、Internet Explorer 7およびFirefox 3.6のサポート廃止も行われている。

 Bootstrap 3では、全体的なイメージは従来バージョンのものを保ちつつ、フラットデザインが取り入れられたよりシンプルなデザインになっている。ボタンなどはグラデーションがなくなり、平面的になっている。ただし、テーマ機能を使えば従来のようなデザインも利用できるという。モバイル環境からも利用しやすいように大きさの調整なども行われているとのこと。また、従来はレスポンシブデザインを利用する場合専用のCSSファイルを読み込む必要があったが、本バージョンからはレスポンシブデザインがデフォルトになっている。ただし、レスポンシブ機能を望まないアプリやサイト向けに無効にするオプションも備えているという。

 また、利用する機能を絞り込んだり、フォントの種類やサイズ、コンポーネントのデザインなどをカスタマイズする機能についても改善された。BootstrapのWebサイトにあるカスタマイズページに用意されているフォームに設定値を入力し、「Compile and Download」をクリックするとカスタマイズされたBootstrapのCSSやJavaScriptファイルをダウンロードできるというもの。今までカスタマイズされたCSSのコンパイルはユーザーのリクエストに応じてサーバー側で実行していたが、Bootstrap 3.0ではWebブラウザ側でコンパイル処理を実行してダウンロードする形に変更された。また、カスタマイズ設定はユーザーのGistページに保存できる仕組みになっている。

 Bootstrap 3.0はプロジェクトのWebサイトなどから入手できる。

Bootstrap
http://getbootstrap.com/