軽量トランザクション機能を搭載した「Apache Cassandra 2.0」が登場

 The Apache Software Foundation(ASF)は9月4日(米国時間)、分散型データベースシステム「Apache Cassandra 2.0」をリリースした。軽量トランザクションやクエリ言語「CQL」の強化、トリガーの導入などが行われているほか、内部的な最適化や改良も多く含まれているという。

 Apache CassandraはKey-Valueストア型アーキテクチャのデータベースシステム。高速な処理や分散型によるフォールトトラレント設計などを特徴とする。性能と信頼性を損なうことなく大規模なデータセットを高速に処理でき、さまざまな目的・環境で利用できる。元々は米Facebookで開発され、2009年にASFに寄贈された。2010年よりASFのトップレベルプロジェクト(TLP)として開発が進められている。欧州原子核研究機構(CERB)、米Adobe Systems、米Digg、米Netflixなど、多数の企業や組織が利用しているという。

 Cassandra 2.0は、2011年10月に公開されたApache Cassandra 1.0以来のメジャーアップデートとなる。大きな改良点の1つに、軽量トランザクション(Lightweight transaction)機能の導入がある。軽量トランザクションはIF節付きのINSERTおよびUPDATE文で利用可能で、いくつかの制限はあるもののこれにより一貫性のある処理が行えるという。

 ストアドプロシージャの一種で、一定の操作に対して設定した処理を自動起動するトリガー機能も導入された。Stormなどのイベント主導フレームワークとの統合を簡素化できる。

 クエリ言語CQL(Cassandra Query Language)も強化し、カーソルやインデックスサポートを強化した。そのほか、さまざまな性能強化やコードおよび機能の整理などが行われている。

 Apache CassandraはプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。

Apache Cassandra
http://cassandra.apache.org/

The Apache Software Foundation
http://apache.org/