Firefox 24およびThunderbird 24リリース

 Mozillaは9月17日、WebブラウザFirefoxの最新版「Firefox 24」をリリースした。デスクトップ版に加え、Android版も同時にリリースされている。また、メールソフトThunderbirdの最新版「Thunderbird 24」も公開された。

 8月6日に公開されたバージョン23からほぼ6週間での新バージョン公開となった。デスクトップ版では、現在開いているタブから右側にあるタブを全て閉じる機能が加わった。タブを右クリックして表示されるメニューから実行できる。また、チャットウインドウをドラッグ操作により切り離すことが可能になった。Mac OS X版では、Mac OS X 10.7以降で採用された半透明状のスクロールバーがサポートされている。

 新しいタブの読み込み速度向上やSVGレンダリング性能の改善なども行われている。開発者向け機能であるWebコンソールでも、デバッグ作業の改善、エラーコンソールの改良など強化が図られている。

 Android版ではデスクトップ版以上に大幅な機能強化が加わった。まず、Webブラウザで動画チャットなどのリアルタイムコミュニケーションを可能にする「WebRTC」関連機能がデフォルトで有効となった。WebRTCはThe World Wide Web Consortium(W3C)で策定されている標準技術で、デスクトップ版では6月公開の「Firefox 22」でサポート済み。今回Android版では、端末側のカメラやマイクにアクセスできるgetUserMedia(gUM)、ブラウザ間の通話を可能にするPeerConnection、ブラウザ経由でサーバーを介さずにP2Pデータ伝送を確立するDataChannelsの各APIをサポートした。これにより、開発者はモバイルとデスクトップの両方で動画チャットやファイルのやりとりなどが可能なアプリケーションを構築できるという。

 NFCを利用した共有機能も導入されている。NFCをサポートした端末同士が端末を重ねることで、開いているタブを共有できる。共有ではまた、メニューの共有ボタンを利用して、Twitter、Facebook、SMS、電子メールで1タップで共有できるなどの強化も加わっている。

 「Reader」機能も強化し、URLバーのReaderアイコン長押しによりReading Listに追加できるようになった。Readerに保存したページはオフラインで利用できる。Readerではフォントの変更が可能になり、自動で夜間モードと通常モードの切り替え機能も加わった。

 Mozillaは同日、Thunderbird 24も公開した。Thunderbird正式版の新規リリースはしばらくの間停止されており、2012年11月にリリースされたThunderbird 17以来の新しい正式版となる。大きな変更点はなく、メールをスレッド単位で無視することが可能にあったほか、国際化ドメイン(IDN)を使ったメールアドレスのサポートや編集ウィンドウのズーム機能実装といった細かい新機能追加や機能修正が行われている。

Firefox
http://www.mozilla.jp/firefox/

Thunderbird
http://www.mozilla.jp/thunderbird/

Android版Firefox
http://www.mozilla.jp/mobile/