米Red Hat、2017年までサポートされる「RHEL 5.10」などを発表

 米Red Hatは10月1日(米国時間)、Linuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 5.10」を発表した。サポートされるMySQLのバージョンが従来のバージョン5.0系から5.5系にアップデートされるなどの変更が行われている。また、サブスクリプションプランも変更されている。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 5.10は、2007年に登場したバージョン5系の最新安定版となる。Red Hatの最新のブランチは2011年にリリースしたバージョン6系だが、Red Hatはライフサイクルを10年に延長しており、5系は2017年3月まで、延長サポートを利用すると2020年3月までがサポート期間となる。

 大きな変更点として、RHEL 5系ではMySQL 5.0系が長らく提供されていたが、RHEL 5.10ではMySQL 5.5系が提供されるようになっている点がある。また、MySQL 5.0系で使われていたデータベースを5.5系に移行するために必要となるMySQL 5.1も並行して提供される。Red Hat Enterprise Linux Developerサブスクリプション顧客向けに提供するオープンソースの開発ツールセット「Red Hat Developer Toolset」はバージョン2.0となり、Eclipse 4.3、GCC 4.8、Dyninst 8.0、Strace 4.7など、より新しいバージョンの開発ツールが利用できるようになっている。

 サブスクリプション管理ツールも強化された。Red Hat Customer Portalを介さずに自社のシステムニーズに合わせてサブスクリプションを最適化するなど、さらなるメリットを享受できるという。Red Hat Support Toolでは、自動診断サービス、ナレッジベースへのアクセスなどを提供する「Red Hat Access」を提供する。問題の早期解決、ログファイルやエラーメッセージの解析などに利用できるという。米標準技術研究所(NIST)が定めるセキュリティ設定自動化手順「SCAP 1.2」のオープンソース実装「OpenSCAP 1.2」もサポートした。

 システム管理のSatellite 5.6では、レポートやトラブルシューティングツールを強化、ハードウェアやサブスクリプションの利用などの面で詳細なレポート機能が加わった。別のSatelliteインスタンスからコンテンツを読み込む「Inter-Satellite Sync」も導入、Satelliteインスタンス間の同期時のアクセス制御などを改善する。Satellite 5.6はRHEL 5系と6系で利用できる。

 サブスクリプションにおいては、1台の物理マシンもしくは2ノードの仮想マシン上で利用できる「Red Hat Enterprise Linux Server」に加え、仮想化マシン上に台数制限なしでインストールできる「Red Hat Enterprise Linux for Virtual Datacenters」が提供される。これにより、柔軟な構成が可能になるという。

米Red Hat
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