Python向けのWebアプリケーションフレームワーク「Django 1.6」リリース、データベースへの永続的接続をサポート

 オープンソースのWebアプリケーションフレームワーク「Django」の開発チームは11月6日、最新版となる「Django 1.6」を公開した。データベース関連の処理性能を改善する改良が加えられたほか、安全性も強化された。

 DjangoはPython向けのWebアプリケーションフレームワーク。MVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを採用し、O/Rマッパー、テンプレートシステム、キャッシュシステムなどを備えている。冗長を避けるDRY(Don’t Repeat Yourself)精神に基づいた自動化、柔軟性の高さなどを特徴とし、効率の良い開発を支援する。ライセンスはBSD License。

 Django 1.6は2月に公開されたバージョン1.5に続く最新版となる。本バージョンでは新たにデータベースへの永続的接続のサポートが加わった。従来はデータベースへのリクエストごとに接続を再確立しており、これがオーバーヘッドとなっていた。新たな実装ではデータベースへの接続を切断しないようになり、これによってデータベース再接続のオーバーヘッドを回避できるという。なお、これはコネクションプーリングとは異なり、接続はワーカー単位で行われ、パラメーターを利用してデータベース単位で接続時間の上限を設定できる。

 また、トランザクションの扱いを大幅に見直し、データベースレベルでの自動コミットもデフォルトで有効になった。トランザクションの扱いがこれまで以上に明示的になり、性能が改善されるという。これに伴い、既存のAPIは非推奨となり、新たなAPIが導入されている。

 デフォルトのプロジェクトとアプリケーションテンプレートも簡素化し、クリックジャック攻撃への対策と管理インターフェイスがデフォルトで有効になった。1.4で導入したタイムゾーンを強化し、SQLiteのsavepointサポートも限定的だが加わっている。

 Django 1.6はプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはPython 2.6.5以上が必要。Python 3も正式にサポートしており、各バージョンの最新版を利用するよう推奨している。

 なお、Python 2.6については本バージョンが最後のサポートとなり、次期版(Django 1.7)からは最小要件はPython 2.7以上に変更される予定という。

 開発チームによると、このリリースは、3月に逝去したというDjango開発者、Malcom Tredinnick氏に捧げるとしている。チームはまた、Tredinnick氏にちなんでコミュニティへの精神を讃える賞「the Malcom Tredinnick Memorial Prize」を設けたことも発表した。

Django
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