互換性を強化、リモコン機能がiOSにも対応した「LibreOffice 4.2」が登場

 The Document Foundationは1月30日(ドイツ時間)、オープンソースのオフィススイート最新版「LibreOffice 4.2」を公開した。新機能を含むメジャーアップデートとなり、モバイルも含めて性能、互換性を中心にさまざまな機能強化が加わっている。

 LibreOfficeは、OpenOffice.orgから分岐して2010年秋に発足したオープンソースの生産性アプリケーションおよびその開発プロジェクト。文書形式としてOpenDocument Format(ODF)をサポートし、ワープロの「Writer」、表計算「Calc」、プレゼンテーション「Impress」、ドロー「Draw」といったアプリケーションで構成される。ライセンスはLGPLv3。

 LibreOffice 4.2は、2013年4月に登場したバージョン4系の最新版。7月に登場した4.1からのメジャーアップデートとなり、当初の予定より少し早いリリースとなった。互換性、性能などが改善され、主として企業ユーザーやパワーユーザー向けの機能強化が中心という。

 コードリファクタリングが最も多く施されたのがCalcとなる。大容量で複雑なxlsx形式ファイルのインポートやセルの値の計算など、大規模データの処理で性能改善を体感できるとしている。また、新たなフォーミュラ変換ツールでは、GPUを利用したフォーミュラセルの並列処理が可能となった。これにはOpenCLライブラリが使われているという。

 互換性では、docxおよびrtfといったファイルフォーマットとの互換性強化が行われている。「Apple Keynote」および「Abiword」ドキュメント向けのインポートフィルタも加わった。

 Windows版では、カスタムインストールダイアログを改善したほか、Active DirectoryのGroup Policy Objectsを利用した一元管理に対応した。Windows 7/8との統合も強化し、タスクバーで開いているドキュメントのサムネイルをアプリケーション単位でグループ表示するなどのことが可能になった。

 このほかの共通の機能強化として、「Expert Configuration」の強化、スタート画面の改善などがある。ユーザーインターフェイスも改善されており、70%のダイアログを新しくしたという。フラットアイコン「Sifr」も導入した。

 モバイル分野も強化され、「Impress Remote Control for iOS」対応が加わった。4.0.1で加わったAndroid版の「Impress Remote Control for Android」のiOSバージョンで、iOS端末からImpressプレゼンテーションスライドを操作できる機能。アプリは現在Appleの承認待ちで、間もなくiTunes Storeで公開される見通しという。

 LibreOffice 4.2.0Windows、Mac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。4.2系の初のリリースであることからアーリーアダプター向けと位置づけており、保守的なユーザーに対してはバージョン4.1.4の利用を推奨している。

LibreOffice
https://www.libreoffice.org/

The Document Foundation
http://www.documentfoundation.org/