GitHubがChromiumベースのテキストエディタ「ATOM」を発表

 GitHubが2月26日、同社内で開発したテキストエディタ「Atom」を発表した。6年以上をかけて開発したもので、拡張可能で使いやすい「21世紀向けのハッキング可能なテキストエディタ」と称している。現時点ではMac版のみが招待制ベータとして提供されており、将来的にはWindowsおよびLinux版のリリースも考えているという。

 Atomは高い拡張性と使いやすさを目指して開発されたエディタで、「小学生が最初にコードを学習するのにも利用できる簡単さ」と「熟練のハッカーも利用できる幅の広さ」を持つことを目標としている。開発者らはMac OS X環境で有名なテキストエディタである「Sublime Text」や「TextMate」、そしてUNIX環境で広く使われているEmacsやVimと比較し、「Sublime TextやTextMateは便利だが拡張性が限定的、EmacsとVimは柔軟性に優れるが使いやすさで劣り特定のスクリプト言語でしかカスタマイズできない」と既存のエディタの問題点を指摘、これらを克服すべくGitHub内で実験的にスタートしたという。「基本的な目標に到達した」ことから、今回のベータ公開に至ったとしている。

 Atomはデスクトップアプリケーションではあるが、WebKitから派生したWebエンジンであるBlinkやJavaScript、CSS、HTMLなどを使ってUIなどが構築されており、これにより高い拡張性を実現している。またモジュラー構成も特徴で、さまざまなオープンソースソフトウェアを使って構築されているという。機能としてはファイルツリーの表示、ファイルに迅速にアクセスできるファインダー、高速な検索と置換、複数ペインを使った表示、コードスニペットやコードフォールディングなどを持ち、またTextMateの文法設定やテーマをインポートできる。Node.js統合機能もあり、Atom内でNode.jsで実装されたサーバーを動作させることも可能だという。

 GitHubはあわせて、80以上のAtom関連ライブラリおよびパッケージをオープンソースにした。開発者はこれを利用して拡張機能を書くことができるという。

 なお、Atomの完全なソースコードは現時点では公開されておらず、コア部分をどのようなライセンスで提供するかどうかも未定だという。AtomのWebサイトでは「完全なオープンソースでも、クローズドソースでもない形を目指している」とのこと。また、コア以外のパッケージについてはMITライセンスで提供される。

Atom
http://atom.io/