「GNOME 3.14」が公開、Waylandサポートを強化「日常で利用できるレベルに」

 GNOME Foundationは9月24日、デスクトップ環境GNOMEの最新版「GNOME 3.14」をリリースした。Waylandサポートの強化、マルチタッチの対応など多数の特徴が加わっている。

 3月に公開されたGNOME 3.12から6か月を経てのリリースとなる。この間、約870人の開発者が合計で28859件の貢献を行ったと報告している。

 GUIツールキットとしてGTK+の最新版「GTK+ 3.14」を採用したほか、Waylandサポートの強化も行われ「日常で利用できるレベルに到達した」という。9月19日にリリースされたばかりの「Wayland 1.6」に対応、キーボード設定、タッチ画面、ドラッグ&ドロップのサポート、高解像度画面の対応、ウィンドウの移動やリサイズなどの機能を備えている。

 マルチタッチサポートも追加され、マルチタッチに対応する端末でそれらを利用した操作が可能となった。WiFiアクセスポイントへの対応も強化され、WiFi接続のための認証画面を自動で表示するようになった。WebDAVやDLNA、VNCを利用したファイル、メディア、画面の共有に利用するネットワークの設定・保存も可能となっている。

 アプリケーションでは、仮想マシンや遠隔にあるマシンを管理する「Boxes」でスナップショット機能を導入した。また、ドキュメントビューアの「Evince」ではデザインの再構築も行われている。ヘッダバーを利用して配置を工夫したほか、高解像度画面もサポートする。

 アクティビティ画面では新しいアニメーションを導入したほか、アプリケーションの管理や追加を行える「Software」ではアプリケーションの表示に評価が加わるなどの強化が施された。地図、システム検索、音楽などのアプリケーションも強化され、複数台のモニター利用時はどのウィンドウがどのモニターに表示されていたのかの情報を保存するようになった。

 開発関連では最新のGTK+ 3.14、GLib 3.14の新機能を利用できる。GTK+ 3.14の新機能として、GTK+アプリケーションを実行時にチェックするインスペクターが導入されている。ウィジェットなどのインターフェイス要素を選択でき、プロパティやCSSを参照しながら編集できるという。CSSのサポートも強化し、アイコンテーマやSVGアセットとの統合を改善した。このほか、リソースメニューの自動読み込み、GtkBuilderファイルでのプロパティバインディングなど細かな機能も加わっている。

 デフォルトテーマとして、「Raleigh」に代わって「Adwaita」が採用された。AdwaitaはGTK+の最新のCSS機能を利用し、新しいウィジェットをすべてサポートするという。レイアウト、アイコン、入力などのインターフェイス開発のガイドラインとなる「ヒューマンインターフェイスガイドライン」も更新された。

The GNOME Foundation
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