「SUSE Linux Enterprise 12」リリース、MariaDBへの移行やsystemdサポートなどが行われる

 SUSEは10月27日(ドイツ時間)、商用Linuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise 12」をリリースした。Dockerサポートが技術プレビューとして加わったほか、systemdとMariaDBがフルサポートになるといった変更が行われている。また、システムロールバックなどの新機能も提供される。

 SUSE Linux Enterpriseは、信頼性、拡張性、安全性を特徴とするエンタープライズ向けLinuxディストリビューション。サーバー向けの「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)」や高可用性モジュール「SUSE Linux Enterprise High Availability Extension」、デスクトップ向けの「SUSE Linux Enterprise Desktop」といった製品から構成されており、有料サブスクリプションとして提供される。

 SUSE Linux Enterprise 12は2009年にリリースされた「SUSE Linux Enterprise 11」に続くメジャーリリースとなる。x86_64、IBM POWER、IBM System zに対応するサーバー版では、デフォルトファイルシステムとしてbtrfsを採用し、システムロールバックやスナッパー技術、ライブカーネルパッチングなどにより問題への対応を強化するという。また、Linuxコンテナ技術としてDockerが追加された。技術プレビュー段階ではあるが、libvirtベースの仮想化管理インフラに統合できる。MariaDBもフルサポートとなり、MySQLから置き換えられている。また、SysVinitの代わりにsystemdがサポートされた。

 サブスクリプションの一部として提供される追加機能パッケージのオンラインレポジトリ「SUSE Linux Enterprise Server Modules」では、次期管理ツール「Advanced Systems Management」などデータセンターのアップタイムを改善するソフトウェアモジュールが加わっている。

 アーキテクチャ別ではIBM Power8プロセッサベースのハードウェア最適化が利用できるようになり、System xでは直近の2世代のプロセッサ向けに命令セットを利用してワークロードの性能を改善するといったことが可能となった。最新の暗号化アクセラレーション技術のサポートなどが利用できる。Desktop版ではGNOME 3.10をサポートし、各種ソフトウェアが更新されている。

 このほか、顧客ポータル「SUSE Customer Center」もアップデートされた。サブスクリプションの管理、パッチやアップデートへのアクセスが容易になり、SUSE顧客サポートとのコミュニケーションもここから行える。インストーラーも改善され、メンテナンスアップデートを受け取ることができるようシステムを登録できるようになっている。

独SUSE
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