「Wayland 1.7」リリース、テストとドキュメンテーションを強化

 ディスプレイサーバーWaylandの開発チームは2月17日、最新版となる「Wayland 1.7」およびそのリファレンス実装「Weston 1.7」を公開した。主にテストおよびドキュメント関連が大きく強化されている。

 WaylandはX.Org Serverの代替を目指すプロジェクトで、Kristian Høgsberg氏が2008年に開始した。ライセンスはMIT Licenseで、Freedesktop傘下のプロジェクトとして開発が進んでいる。

 Wayland 1.7は、2014年9月に公開されたバージョン1.6に続くもの。開発チームによるとWaylandプロトコル側の開発作業は「完了したと見ることができる」そうで、本バージョンではドキュメンテーションに大きく注力したとしている。

 技術面では、テストとクライアントにおけるメモリとイベントリークにつながるバグを多数修正した。リークチェックがテストスイートで強制となったほか、サンプルクライアントにも加わった。テストスイートではこのほか、テスト完了までの時間を設定できるタイムアウト機能が加わった。この機能は「WAYLAND_TEST_NO_TIMEOUTS」環境変数で無効にできる。開発チームはまた、一貫性のために「NO_ASSERT_LEAK_CHECK」を「WAYLAND_TEST_NO_LEAK_CHECK」と統一することも告知している。

 テスト関連では新しいC++コンパイルテストが加わった。WaylandとWestonはCで作成されているが、C++で作成されたコンポジタとの互換性を強化する。このほか、クライアントのlistenキューの最大数が128に拡大するなどコードベースも一部変更し、バグも修正した。

 開発チームによると、次期版であるバージョン1.8のリリースは5月末の予定とのこと。

Wayland
http://wayland.freedesktop.org/