MozillaのFirefox担当が辞職、Firefoxとクラウドサービスの2グループが合体へ

 MozillaのFirefox担当バイスプレジデントJohnathan Nightingale氏が、3月でMozillaを離れることが明らかになった。後任は現在クラウド分野を担当するMark Mayo氏となる。MozillのCEOはこれに合わせて、クラウドとFirefoxの取り組みを合体させる方針も発表している。

 Johnathan Nightingale氏が自身のブログで2月17日に辞職を発表、MozillaでCEOを務めるChris Beard氏が翌日、Mozilla公式ブログでこれを認めた。

 Nightingale氏は2007年に米IBMからMozillaに移籍、これまでFirefoxのフロントエンド開発担当、開発担当ディレクター、同シニアディレクターと昇格し、2012年にバイスプレジデントに就任した。

 Nightingale氏はブログで、「2014年は素晴らしい年だった」とMozillaの成果に対する満足感を示している。たとえば2015年1月のデスクトップ版のダウンロード数はここ数年で最高であり、Android版もダウンロード累計が1億に達しつつあるとのこと。iOS版についても「まだ存在すらしていないが、開発ツールでデバッグできる段階になっちえる」としている。ビジネス面でも、2014年末に発表した新しい検索分野の戦略により「しっかりした土台を持つことができる」とする。同じく同年にCEOとなったChris Beard氏についても、Mozillaの将来を信頼できることであると評価としている。

 一方で、「私自身はかなり疲れてしまった」とNightingale氏。次の転職先が決まっているわけではなく、休息や家族との時間を目的とした決断のようだ。また、地元カナダ・トロントでのハイテクにおける交流を深めたいとも綴っている。文中、「これは悪い兆しだというひともいるだろうが、そうではない」とNightingale氏は記し、自分の離職とMozillaの状態を関連づけられることを否定している。Nightingale氏のMozilla勤務は3月31日まで。

 CEOのBeard氏はブログでNightingale氏の退職を認めると同時に、これに合わせて、同期(「Firefox Sync」)などのクラウドサービスにフォーカスする作業グループを、Firefoxデスクトップ版およびモバイルブラウザのグループと合体させる方針も明らかにした。合体したチームは現在クラウドサービスを統括するMark Mayo氏が率いる。「ここ最近、どのようにしてデスクトップ上のクライアントソフトウェアとモバイルをクラウドサービスアプローチで統合し、Firefoxを進化させられるかを試してきた」とBeard氏は両グループの関係を説明している。これにより、Mayo氏はFirefox担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャに昇格する。

Mozilla
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