NVENCサポート、VP9最適化などが加わった「FFmpeg 2.6」リリース

 FFmpeg Projectは3月7日、オープンソースのマルチメディアライブラリ「FFmpeg」の最新版「FFmpeg 2.6」(開発コード「Grothendieck」)をリリースした。

 FFmpegは、デコード/エンコード、フォーマット変換、mux/demux、ストリーム、フィルターなどの機能を持つマルチメディアフレームワーク。libavcodec、libavutil、libavformat、libavfilter、libavdevice、libswscale、libswresampleなどのコンポーネントで構成され、フォーマット変換やストリーム再生といった機能を持つコマンドラインツールの「ffmpeg」、ストリーミングサーバー「ffserver」、SDLベースのメディアプレイヤー「ffplay」、マルチメディアストリームアナライザの「ffprobe」といったツールが提供される。

 FFmpeg 2.6は2014年12月にリリースされた「FFmpeg 2.5」に続くものとなる。FFmpeg 2.6では、H.264エンコード向けのNVIDIA Video Encoder API(NVENC)をサポートした。字幕クローズドキャプションの初期サポートとして、デコーダーで対応した。

 フィルタも強化し、新しいカラー処理フィルタである「colorlevels」やオーディオフィルタの「dcshift」、「tblend」、「palettegen」、「paletteuse」などが追加された。「palettegen」と「paletteuse」は、高品質GIF作成で利用できるという。これらに加え、sppフィルタでの10ビットサポートも加わった。一方で、libmpcodecsラッパーは削除された。

 また、x86 32ビットシステムなどでのVP9デコーダーの性能改善や、HEVC/H.265の最適化も行われている。

 FFmpegのソースコードやWindowsおよびMac OS X、Linux向けバイナリパッケージはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

FFmpeg Project
https://www.ffmpeg.org/