Key-Valueストア「Redis 3.0」リリース、クラスタリングにネイティブ対応

 オープンソースのKey-ValueストアRedisの開発チームは4月1日、最新安定版「Redis 3.0」リリースを発表した。クラスタリングのネイティブ対応を実現し、今後の土台を作った。

 RedisはCで実装された高速なKey-Valueストア。キーとして文字列だけでなくハッシュ、リスト、セット、ソート済みセット、bitmaps、HyperLogLogなどさまざまなデータを利用できることから、データ構造サーバーと呼ばれることもある。アトミック動作、マスター/スレーブ型レプリケーション、シャーディングなどの機能を持ち、Ruby、Python、PHP、Erlang、Tcl、Perl、Lua、Java、Scala、Clojureなどさまざまな言語から利用できる。プロジェクトはPivotalの支援を受けており、3条項BSDライセンスで公開されている。

 Redis 3.0は2010年9月に公開されたバージョン2.0に続くメジャーバージョン。クラスタリングをネイティブでサポートし、大規模な環境でのRedis利用を容易にする土台を作った。キー空間を1万6384スロットに分割してそれぞれのサイズの上限を設定するなどのキーディストリビューションモデル、キーハッシュタグなどのコンポーネントを持つもので、プロキシや非同期レプリケーションを利用せずに、最大1000ノードまでリニアに拡張することを目指す。

 また、書き込みの安全性と可用性も目標に掲げている。これにあたって、コマンドを集めたページにもクラスターのカテゴリを設けている。

 開発チームでは、クラスタサポートについて今後1~2年かけて成熟させていくとしている。今回のリリースでは多くの機能を2.8から取り込んでおり、新しい機能はunstableブランチに集めているという。

 このほか、キー退去向けのLRU(Least Recently Used)アルゴリズムを強化した。また、永続化のためのAOFリライトを一新し、パイプライン読み込みの速度も改善した。

 Redis 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Redis
http://redis.io/