2回目のLTS、Python Webアプリフレームワーク「Django 1.8」リリース

 Python向けWebアプリケーションフレームワーク「Django」の開発チームは4月1日、最新安定版「Django 1.8」をリリースした。2回目の長期サポート版(LTS)となり、リリースから3年の間セキュリティアップデートを受けることができる。

 DjangoはPython向けのWebアプリケーションフレームワークで、Webアプリケーション開発に必要なフル機能を提供する。これによりさまざまな作業を軽減でき、迅速な開発が可能になるという。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)などの攻撃への対策も備えており、拡張性にも優れる。ライセンスはBSDライセンス。

 Django 1.8は2014年9月にリリースされたバージョン1.7に続くリリースとなる。LTSとしてはバージョン1.4に続く2回目のリリースとなる。

 新機能として、Model._metaオブジェクト関連のAPIを正式導入した。Model._metaオブジェクトは以前から存在していたが、公式で安定したAPIはなかった。今回のModel._meta API導入により、公式にサポートされた形で、属性に基づくフィールドの取得やフィルタリングの方法としての道が開けるとしている。これに合わせ、新しいAPIへのマイグレードガイドも公開している。

 また、複数テンプレートエンジンのサポートが加わった。DjangoテンプレートとJinja2のサポートを含むバックエンド統合のためのAPIを定義し、同一プロジェクト内で複数のエンジンのテンプレートレンダリングが可能になるという。

 複雑なSQL表現の作成やカスタマイズができるQuery Expressions、クエリでif~elif~elseロジックを利用できるConditional Expressionsなどが加わった。ArrayField、HStoreFieldといったPostgreSQL固有の機能のための拡張を持つモジュールも提供する。

 そのほか、UUIDFieldなどの新しいデータタイプが加わった。またTestCaseのリファクタリングによりクラスレベルでのデータ初期化が可能となった。セキュリティも強化し、django-secureサードパーティライブラリの一部機能を統合した。

 Django 1.8はプロジェクトのWebサイトより入手できる。Pythonのバージョンとしては、3系の最新版を推奨しているが2.7も利用できるという。

Django Software Foundation
https://www.djangoproject.com/