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[Efont-devel] Re: IPA フォント : 別手段のご提案と IPA さまからの返信

KANOU Hiroki kanou @ khdd.net
2004年 7月 20日 (火) 21:48:47 JST


狩野です。

内海さん、ご丁寧にお問い合わせ下さりありがとうございました。
この ML をお読みの方は、開発側の視点からフォントに対して興味をお持ち
でしょうから、その立場から見て私が考えた事を書きたいと思います。

結論を先に言えば、容量が軽いパッケージを配布してくれるだけでは私にとっては
不十分で、各開発者から寄せられる変更を取りまとめて継続的にメンテナンスして
くれるプロジェクトが必要であるという事です。

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1) 無料で利用可能な日本語フォントの決定版である。

IPAフォントがすぐにデファクトスタンダードになることは間違いない。
(さざなみフォントが実用的な水準になるには年単位の時間がかかるだろう)
無料で入手可能な選択肢としては、これだけの品質の物があれば十分だと思う。

2) 改良したい点が目についた。

既に /.J に書いたが、中でもビットマップの問題が一番大きいと思い、作業中。
(他にも、表外漢字字体表への対応など考えられるが、自分でやる気がしない。)

3) フォントベンダの商売の妨げになる事をするつもりは全く無い。

だから改良は最低限の物だけやっておしまいにするつもりである。
(個人的には、誰でも自由に利用可能な無料の物からプロ用の高級品までの
ラインナップが揃っているべきだという考えを持っているので、現状で既に
無料の物の品質が高くなりすぎたるのではないかとすら思う)

4) 今でも、形式的には改変したものの再配布が可能 (おまけつきであれば)。

ライセンスの文言で派生物の扱いが定められており、その作成を禁じて
いないからには、当然可能だと思う。つまり、3) の条項を、1) に準用して
「使用者は、当該ソフトウェアの再配布に同梱し、かつ本条件を添付する
場合に限り、フォントまたはその派生物を改変して再配布できます」と
書かれていると読む事ができると考える。

ファイルの巨大さと後の影響さえ考えなければ、改変フォント添付版の
GRASS のアーカイブを作って sourceforge.jp に置き、後の世話は人に
任せてしまえばいい。

5) 改変することによってユーザに混乱をもたらすのはまっぴらである。

また、自分が手間をかけた改良が無駄に捨てられてしまうのも避けたい。

6) 問題点: IPA が許諾したプロジェクト同士でさえ改変部分の相互流用は不可。

条項 1) は当然、改変を行った使用者も、改変物を入手して使用する使用者に
対して「抱き合わせ条項」を再配布条件として課していると考えるべきでは
ないかと思う (GPL みたいに明示的に書かれているわけではないので、異なる
解釈はあるが)

そうだとすると、IPA フォントを同梱しているプロジェクト A の配布物に
基づいて追加したフォントと、プロジェクト B の配布物を改変して行った
独自拡張の両方を含んだフォントは、必然的に A と B の配布物をともに
同梱しなければならないことになる。
(改変部分に対して、改変者が勝手にオリジナルより緩い配布条件をつける
事は許されないと考えるべきであろう。)

形式的には抜け道はあって、IPA フォントを改変した人全員が、フォントを
同梱する全てのソフトウェアに対して改変フォントを同梱したアーカイブを
公開すればいいが、こんなバカげた事をだれもしようとは思わないだろう。

7) 改変部分を相互流用することが可能なライセンスにしてもらうのが一番

バザール式開発モデルが害とならないのは、優れた修正であれば誰でも
取り込んでまとめ直す自由があるからである。IPA から許諾を受けた
プロジェクト同士でも、他のプロジェクトの成果を利用できずに同じ
作業をやり直さなければならないのは労力の無駄使いである。ライセンスに
よってこれを可能にするのが望ましい。

8) IPA が継続的にメンテナンスしてくれるならありがたい。

同じフォントの非互換なバージョンが乱立する問題を避けるにはこれが一番。
だが、それを期待するのはお門違いというもの。

9) 変更部分の使い回しがダメなら、どこか集約するプロジェクトが必要。

誰かがまとめてくれて 2 箇所以上に分岐しなければ問題は生じない。その
プロジェクトの配布する IPA フォント派生物のみをデファクトスタンダード
にしてしまうことになる。他のプロジェクトはそれを使うことを前提にする。

自分としては全く気が進まない (できるだけ人任せにしたい) が、他に誰も面倒を
見る人がいないのであれば、何かプロジェクトを立ち上げざるを得ないかもしれない。

その場合、「同梱する配布物」として妥当なものを発見できることが前提条件。
・サイズが大きすぎず、
・フォントをインストールした人が誰しも、インストールして邪魔だと思わず
・フォントを必然的に必要としているもの
という条件を満たしたソフトウェアは無いものか。

新部さんのヒント「自由フォント制作環境」は、一般のフォント利用者にとっては
無関係だし、そもそもこのテーマで開発する物が残ってない (私がフォント
エディタを作っているわけでもなんでもなく、FontForge で用を足しているから)。
(しかも、未踏なり何なりで採択してもらえる程度の新規性が無ければ IPA に
フォントの同梱を認めてもらえないと思うが、そんなの可能だろうか? 自分では
配布物の思い付きだけならあるが、認めてもらえるかとか開発可能かとかの点で、
全く自信が無い。)

10) 余談: 狩野自身は、ファイルサイズが大きくても気にしていない

配布される側の立場としてはいろいろご不満もあるかとは思うが、私としては、
今どき 20MB かそこらのディスクスペースが余分に食われるのは大した問題では
ないと思う。
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というわけで、どこかのプロジェクトに、メンテナンスを引き受けてくれる人は
誰かいませんか?

狩野 宏樹  <kanou @ khdd.net>



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