Mozilla Japan、オープンソースの国内普及を目指し「Project24」などのプロジェクトを計画──THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006レポート

「誰のものでもない、みんなで作り上げていく世界!」
9月27日-28日、東京・都ホテルでネット社会の未来を展望する目的で「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」が開催され、Mozilla Japan 代表理事の瀧田佐登子氏がMozilla Japanが行っている様々なプロジェクトについて講演した。

はじめに瀧田氏は、Mozillaの歩み、Firefoxの開発経緯などを紹介。瀧田氏は「オープンソースでのプロダクト手法を加速させたのはMozillaである。」と述べ、1998年くらいから定義付けられた「オープンソース」というプロダクト戦略について説明した。また、Mozillaはオープンソースであるが故に、「インターネットの技術普及」「Webの技術革新」とは切っても切り離せない関係にあるとも述べた。

MozillaまたはFirefoxの未来については、「過去にモザイクのソースコードが公開された時に、今のWeb2.0の状況を誰が予測できたでしょうか?まちがいなく、10年後は変化していてそれは予測できないものである。」と述べ、ブラウザの役割もインターネットの進化と共に予測不能な変化が生じるだろうとした。

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Mozillaの歩み:日本発のFirefoxプロモーション活動のマスコットキャラクター「フォクすけ」のフォクすけ*ブログで公開

現在、インターネットインフラの急速な発展により、ブラウザ内のWebの世界で上手にビジネスを展開している企業がたくさんある。

Mozillaではブラウザを「自由なキャンパスである」と定義しており、オープンな環境で、自由に人と人とのコミュニケーションや新規ビジネスが行えるものでなければならないと指摘した。

Mozilla Japanは、Firefoxなどのオープンソースを普及するために、幾つかのプロジェクトを進行、または企画している。その一つとして、2007年までに国内の大学内にMozillaコミュニティ(またはファンクラブ)を複数設立する予定。そこではコミュニティに参加しやすいようにコンテストやセミナーを開催して、エンジニアはもちろんのこと、オープンソースを支えるのに大切なユーザ、マーケッターなどの育成を目的としている。

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Mozilla Japan 代表理事 瀧田氏

また、今後の目玉企画として「Project24」を計画しているという。今までMozillaではグローバル規模のイベント開催を行ったことがなく、世界中の関係者がオンラインで様々なことを議論できるように24時間続くイベントを日本で開催したいという。具体的な日程は未定だが、世界3拠点程度をインターネットで繋ぎ、各国のエンジニアの声をLiveで聞けるようにしたいとのこと。またMozillaらしくオープンな開催を考えており、誰でも参加できて、かつ、イベント=実証実験の場となるような取組にもしていきたいという。瀧田氏は「眠らないセミナー企画」と紹介し体力に自信のある人の協力を呼びかけた。

「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」は、Web2.0時代をリードするフロントランナーたちを国内外から招き、「The Culture of Web2.0」「Web2.0 and Business」というテーマで未来展望を行うカンファレンス。主催はTHE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006 実行委員会で株式会社デジタルガレージが中心となり開催。

Firefoxは、Mozillaの主要プロダクトであるインターネットブラウザ。全世界で12%程度のシェアを持つ。ヨーロッパでは更に人気が高くシェア20%以上。日本はPCにプリインストールされているIEを利用している人が多くシェア10%弱に止まっているが、Mozilla Japanの積極的な取組により徐々に国内シェアもあがりつつある。

(濱本秋紀 e-side)

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006
Mozilla Japan

提供:ITセミナーの情報バンク「Is It」