GmailのためのFirefoxエクステンション3本

 よく知られたGoogleのWebメール・アプリケーションGmailは、そのままでも十分な機能を備えている。しかし、Firefoxの利用者であれば、さまざまなアドオンを使ってGmailをさらにカスタマイズすることができる。見た目だけを変えるアドオンや、機能を追加して素朴な電子メール・アプリケーションというよりシステム手帳に近いものにするアドオンなどがある。ここでは、Gmail向けのFirefoxアドオンを3本紹介する。

 最初に紹介するエクステンション GTDinbox は、大いに、あるいは多少は役に立つ機能を種々集めたものだ。作者のAndy Mitchellに言わせると、David Allenが自著「 Getting Things Done 」で提唱した作業管理手法に基づいているのだそうだ。人はやるべき作業をメモすることで解放され、作業をより効率的に行えるようになるというのがその原理。GTDinboxの場合は、電子メールをプロジェクトとタスク中心のToDoリストを使って整理しラベルを貼ることで、より効率的に処理できるようにする。

 インストールするとGTDinboxはすぐに動き出すが、至って控えめで、Gmail画面の表示のデフォルトをいくつか変更するだけだ。すぐに気づくのは、元々あるCompose Mailリンクの下に現れたCompose Personalというオプション。これをクリックすると、通常ならあるはずのFrom:とTo:の入力ボックスのない新規メール作成画面が表示される。これは自分宛の電子メールを簡単に送るための機能だ。

 GmailラベルにはStatusesというカテゴリーと、その下にNext Action、Action、Waiting On、Some Day、Finishedというラベルが追加される。一方、既存のラベルはすべて、GTDinboxが作成したMiscellaneousというカテゴリーに移されている。これらのカテゴリーやラベルを使うことで、inboxを空にしようというのだ。これは、GTDinboxが基礎としているもう一つの生産性理論、Merlin MannのInbox Zeroに基づくもの。それによるとinboxのメールが少ないほど生産性が上がるのだそうだ。GTDinboxは、作者の言によると、Inbox Zeroに大方準拠しているという。

 さて、このアドオンを活用するにはどのようにすればいいのだろうか。GTDinboxのWebサイトに、典型的な例を使った作者によるわかりやすい説明がある。inboxにメールが到着したら、処理すべきアクションかリソースかを決定する。アクション・メッセージは可能であれば直ちに処理し、そうでなければステータス・ラベルのいずれかを付与する。リソース・メッセージには関連するプロジェクト・ラベルを割り当てる。

 こうした機能はいずれもGTDinbox独自のものではなく、既存のGmail機能を使って似たようなことを実現することもできる。GTDinboxは、それをGTD効率性原理に基づいて簡単に始められるよう準備してくれるアドオンなのだ。GTDinboxの独自機能と言えるのはメッセージを右クリックするとその内容の概要を表示する機能だけだが、これとて、さほど有用というわけではない。メッセージを左クリックすればメッセージ全体を見ることができるからだ。

 詰まるところ、GTDinboxはそれ以上でもそれ以下でもないアドオンだ。電子メールを整理する時間が若干少なくて済むだろうが、Gmailの全くの初心者でも一人でできることばかりだ。

 次に紹介する Gmail Manager はGTDinboxより単純だが、もう少し役に立つアドオンだ。複数のGmailアカウントの扱いが容易になる。利用するには、まずFirefoxのメニューからTools→Addons→Gmail Managerと進みインストールする。Optionボタンをクリックし、このアドオンで管理するGmailアカウントを追加し登録する。

 インストールすると、Firefoxのブラウザー・ウィンドウの右下隅に小さなアイコンが現れる。これを右クリックしGmailアカウントを選ぶと、そのアカウントの情報を見ることができる。Gmail Managerがそのアカウントにログインし、小さなポップアップ・ウィンドウでinboxや各ラベルにある新着メッセージの数を表示するのだ。新着メッセージを表示する小さなプレビューも付いている。仕事中に割り込んでくる「肩越しの」電子メール・チェッカー(連れ合いや子供)がいても、この機能があれば仕事の邪魔をされることなく新着メッセージを手早く確認させることができる。また、メッセージの着信を通知することもできる。

 このアドオンには欠点が一つある。inboxの着信通知が遅いのだ。ときには数分遅れることもある。しかし、筆者の場合は自宅での必須アイテムになっている。仕事中に割り込んでくる電子メール・チェッカーを阻止でき仕事がはかどるからだ。

 最後に紹介するのは dragdropupload だ。ここで紹介する3本の中で一番小さく一番単純だが、筆者にとってはFirefoxに最も追加しておきたいアドオンだ。このアドオンを使うと、メッセージに添付するファイルを閲覧せずに、そのファイルのアイコンまたはファイル名を入力バーにドラッグ&ドロップできる。このとき、文書などのファイルが多く置かれているディレクトリーを開いておくと便利だ。このアドオンにはオプションや設定はない。インストールするだけで、時間と打鍵とマウスクリックを節約することができる。

 以上、Gmailを便利に使うためのFirefoxアドオンを、豊富な機能を持つものからごく単純なものまで3本紹介した。あと1本欲しいとすれば、それは口述筆記してくれるアドオンだ。

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Tina Gasperson ライター。著名な業界雑誌に執筆。1998年からフリーランス。

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