大量に開いたタブから「Tabhunter」拡張で目的のタブを探し出す

 Firefoxのようなタブブラウザでは、ふと気がつくと大量のタブを開いてしまって見たいタブがなかなか見つからない、ということになりがちだ。特に、メモリの処理が改善されて複数タブを開いた時のパフォーマンス低下が軽減されたFirefox 3以降では、そういう経験を持つ人は増えたに違いない。ついつい調子に乗って新規タブを開けば開くほど、タブの表示幅が狭まってしまい、パッと見ではページタイトルから目的のタブを見つけるのが困難になってしまうのだ。Firefoxのデフォルト設定ではタブを開きすぎると左右に矢印のナビゲーションが表示されて、表示領域からタブがはみ出してしまうのでなおさらである。1つのウィンドウ内で複数のページをタブとして処理できるタブブラウザは便利だが、こういった難点も生じてしまうのだ。

 しかし、複数タブを開きがちなFirefoxユーザーにとって救いの神ともいえる機能拡張が存在する。「 Tabhunter 」という拡張機能で、このアドオンを利用すると、現在、Firefoxで開いているタブのタイトルとURLを補足してリスト化し、ポップアップ表示してくれるのだ。

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図1:Tabhunterのアイコン

 論より証拠で、まずはインストールしてみよう。FirefoxアドオンサイトのTabhunterのページで「Firefoxへインストール」をクリックし、確認ダイアログが表示されたら「今すぐインストール」ボタンをクリックして、指示に従ってFirefoxを再起動する。これで、FirefoxのステータスバーにTabhunterのアイコンが追加されたはずだ(図1)。

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図2:Tabhunterのダイアログ

 使い方は簡単で、タブを開き過ぎて、目的のタブが見つからないと思ったら、Tabhunterアイコンをクリックすればいい。するとTabhunterのダイアログがポップアップ表示される(図2)。このダイアログは、「ツール」→「Tabhunter」でも開くことができる。ダイアログの中心部分にずらっと並んでいるのが、現在Firefoxで開いているタブのタイトルとURLである。また、開いているタブの数も、その下に「Hunting through 10 tabs」という風に表記される。この場合は10個のタブが開かれていることになる。

 このタイトル表示順は、タブの開かれた順番ではなく、タイトルの昇順となっている。これだけでも目的のタブを探し出すのがずいぶん楽になるが、「Tabhunter」の優れた点はここだけではない。

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図3:キーワードによる抽出

 例えば、開いているタブが10個程度であれば、開いたダイアログ上から、一目で確認することができるだろう。しかし、20個、30個などといったタブを開いていたらどうなるか。ダイアログ上で一覧することができず、結局スクロールさせることになり、タブを探す手間が増えてしまう。もちろん、このダイアログはマウスを使って大きさを変えることができるので、大きくしてしまえば解決するともいえなくもないが、いくら一覧できてもたくさんのタブから1つのタブを見つけるのは大変になる。しかし、「Tabhunter」には、そんなことをしなくても目的のタブを探し出す機能が備わっているのだ。

 試しに、ダイアログの一番上にある「Pattern」の検索ボックス部分に、何かしらのキーワードを入れてみてもらいたい。入力途中の段階でも、合致するものがセレクトされ、最終的に文字を確定した段階で、そのキーワードを含んだタイトルが抽出される(図3)。マッチングした数は、リストの下に「Matched 1/10 tabs」のように表示される。この場合は、10個のタブのうち1つが合致したということだ。なお、合致するものがない場合は、「URI」部分に「*not applicable*」と表示される。もしも、開いているはずだと思ったら、文字列を少し変えてみよう。ここで検索されるのは、あくまでもタイトルとURLなので、本文の中にしかない言葉では検索できない。

 なお、「Pattern」の下にある「URI」には、リストの一番上に表示されたものもしくはリスト上で選択したもののURIを表示している。ここ自体はただ表示するだけだが、「Pattern」にURLの一部などを入力して検索することもできるので、さして問題はないはずだ。要は、タイトルかURLの一部さえ覚えていれば、簡単に目的のタブを見付け出すことができるというわけだ。

 目的のタブを見つけたら、それを選択してダブルクリックするか、「Go」をクリックすると、そのタブへ直接ジャンプできる。どんなにタブを開いていても一発だ。これまで、矢印で隠れているところをスクロールするなど、チマチマ探していたのが嘘のように軽快になる。

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図4:右クリックメニュー

 また、リスト上で選択して、右クリックメニューを表示することで、より細かい作業をすることも可能だ(図4)。「Go to Tab」は、その名の通り選択したタブを表示する。逆に「Close Tab」ではそのタブを閉じることができる。これは、左下の「Close」ボタンをクリックすることでも有効なはずだが、筆者の環境ではうまくいかなかった。Firefoxのタブ設定などと関係があるのかどうかは不明である。右クリックからでも簡単にできるので、問題はないだろう。

 「Copy URL to Clipboard」は、クリップボードへURLをコピー、「Copy Tab Title」ではタブのタイトルを、「Copy URL and Title」ではURLとタイトルを、それぞれクリップボードへコピーする。例えば、このページについてとりあえずメモしておきたい、知人に教えたい、などといった場合に便利だろう。

 また、Tabhunterを積極的に使いこなしたい場合に有効なのが、ショートカットキー。デフォルトでは、「Show Tabhunter Key Binding」に設定されている「Ctrl+Alt+T」が、Tabhunterの起動ショートカットキーとなっている。ショートカットキーは、キー部分を選択し、自分の好きなキーを押下することで変更することも可能だ。ほかのアプリケーションなどで、このショートカットキーを使っている場合や、別のキーがいいという場合は変更するのもいいだろう。普段から大量のタブを開いてWebを閲覧しているユーザーにオススメしたいアドオンである。