米Red HatがRHEL 5.4正式版を発表、KVMを商用レベルに

 米Red Hatは9月2日(米国時間)、主力のLinuxディストリビューション最新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 5.4」の正式版を発表、提供を開始した。サブスクリプション顧客は自動でアップデートされる。

 最新版では、仮想化が最大の特徴となる。仮想化機能の「Kernel-based Virtual Machine(KVM)」をサポートするほか、インテルの仮想化技術「VT-d(Intel Virtualization for Directed I/O)」やPCI関連の標準化団体PCI-SIGが策定した仮想化技術「SR-IOV」にも対応。これらを利用することで、Xeon 5500シリーズのCPUを搭載したプラットフォームにおいて、複数の仮想マシン間でI/Oデバイスを直接共有できる。仮想マシンベンダーでVT-dとSR-IOVの両方をサポートするのは同社が初としている。

 なお、RHELではこれまで、「Xen」に対応していたが、Xenもライフサイクルを通じてサポートしていくという。

 また、各種ハードウェアへの対応も強化され、IntelやAMDの最新CPU向けの最適化や、ネットワークのパフォーマンス強化、各種デバイスドライバの改良などが行われているという。

 そのほか、開発者/管理者向けとしては、パフォーマンス測定ツールキットである「SystemTap」が強化されたほか、メモリ割り当てライブラリであるmallocについては、新たな実装のプレビュー版を同梱しているとのこと。この新しい実装では、マルチコアプロセッサに向けた最適化が行われているという。

米Red Hat
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