[JM:02389] Re: [POST:DP] GNU findutils xargs.1

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2021年 5月 23日 (日) 11:59:04 JST


長南です。

基本的に、後を引き継ぐ人は、前の訳を自由に改変してよいと思っています。
そうでなければ、やりにくいし、よりよいものにならないでしょう。
より悪くなっては困りますけれど。

なお、現在、体調がよくないので (まあ、年齢のせいなんでしょうが)、当分活動を休みます。
この件についても、これが最後です。

以下引用は、reviewForOldTrans.txt.gz から。

> po ファイル内の日本語訳文の行末に "\n" を挿入している箇所が散見される。

これは、emacs の po モードの仕様です。emacs を使うと、こうなります。

> これはもはや解説本である。man ページとしては不適切。
> man ページはざっとした内容確認や、場合によってはオプション引数が何で
> あったかをさらっと確認するような利用が基本。つまり製作者側からしても、
> これを読ませてすべてを理解させるような意図はない。info を読めという
> ケースも多々あり。したがって本記述はやりすぎ(オーバースペック)。
> 文章も極端に長すぎて、もはや訳注ではない。

これは、manpage に対する見解の相違です。manpage は、自然発生的な
ところがありますから、作者次第でいろんなタイプのものがあります。
coreutils の manpage などは、--help の出力を manpage のスタイルに
したもので、ほとんど備忘録ですが、仕様書、詳しいリフェレンスブック
といったものもありますし (POSIX の manpage は、事実上仕様書なんじゃ
ありませんか)、取説、使用説明書と言えそうなものもあります。この xarg.1 
などは、かなり詳しい使用説明書だと思います。

manpage を読む方から見たらどうでしょう。たいていの場合、使い方の
分からないコマンドについて、使い方を知るために読むのではないでしょうか。
市販のコマンド解説書より、もう少し詳しく正確な説明を求めて。
私としては、manpage を基本的にそういうものだと考えていますから、
使い方をまだ良く知らない人が、読んだだけで大体分かるように
書いてあるべきだと思っています。すでに分かっている人なら分かるように
ではなく。

私がくどくなるのを承知で、訳注を付けるのはそのためです。
この xargs の -I オプションについて言うと、「何を言っているのか
わからない」という批判を何回か聞きました。確かに、原文を読んでも
分かりにくいところで、これは原文が説明不足でしょう。こういうのは、
例を上げて説明しなければ、分かるわけがありません (あるいは、実際に
動かしてみなければ)。それで、ここまで説明すれば分かってもらえるだろうと、
長い長い訳注を付けたわけです。言わば、毒くわば皿までで。

ついでに言うと、欧米の人は、解説を演繹的と言うか、体系的にするのが
好きなようです。それに対して、日本人は、具体的な例から始めるのが
好きらしい (イラストを付けるのも好き)。私としては、manpage に
例が少ないことを残念に思っています。ここに実例があれば、もっと
分かりやすくなるのに、と。そこで、ここでも例を付けたのですが、
例を付けると、どうしても長くなります。バランスがくずれるほどに。

> 引き数: 間にひらがなの「き」を含める表記に違和感。

これは、「翻訳の指針」の「セクション名について」に書いてある表記です。
「インスウ」と読ませないためではないかと思っています。

> 中黒の利用の不統一性:

基本的に日本語として熟しているもの、別の言い方をすれば、英語を直感的に
連想できるものには、中黒を使いません。中黒で区切らないと、英語を連想
しにくいと思うものは、中黒で区切っています。感覚的な判断ですから、
自分とは感覚が違うというものもあると思います。

-- 
長南洋一



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