TOPPERS/ASP for LPC のインストール方法

以下では、Ubuntu 10.04にTOPPERS/ASP for LPCのビルド環境を構築する方法を説明します。Ubuntu 10.04はアップデート済みであると仮定しています。

インストーラーをダウンロードし、実行する


開発環境の構築用に、インストーラ・スクリプトが用意されています。このスクリプトを実行することで、Codesoucery G++ liteコンパイラ、Eclipse Galileo、OpenOCD、LPC21ISP、CKERMITをインストールすることができます。また、KERMITやビルドに必要な環境変数の設定、必要なライブラリのインストールも行います。
インストーラ・スクリプトは、[http://osdn.jp/projehttp://osdn.jp/projeリリース・ページのInstallerパッケージンロードしたら、以下のようにShellから実行します。
  1. $ tar xvzf installer_20101023.tar.gz
  2. $ cd installer
  3. $ ./installer

途中、パスワードやインストールの可否を聞かれますので、適宜答えてください。スクリプトの実行が終わったら一旦ログアウトし、再ログインします。

EclipseにCDTプラグインを導入する


インストール・スクリプトは、Unbutu 10.04のリポジトリからEclipseをインストールしますが、このままではJavaの開発環境しかインストールされていません。使いたいのはCの開発ツール( CDT : C/C++ Development Tooling )ですので、CDTプラグインを追加でインストールします。
CDTは、Eclipse.orgからダウンロードすることができます。ダウンロードには、EclipseのUpdate機能を使います。Eclipseを起動し、メニューバーから Help → Install New Software...を選択します。Addボタンを押すと、Add Siteダイアログが現れるので、以下のように入力します。
OKボタンを押すとツリーリストが現れますので、次の二つにチェックを入れて、"Next"ボタンを押し、インストールをおこないます。
  • CDT Main Featuresから、Eclipse C/C++ Development Tools
  • CDT Optional Featuersから、Eclipse C/C++ GDB Hardware Debugging


CDTのインストールが終わったら、Eclipseを再起動します。

EclipseにEcloxプラグインを導入する


EcloxはEclipse上でDoxygenを使用するためのプラグインです。インストールにはCDT同様、New Software Update...機能を使います。
Eclipseを起動し、メニューバーから Help → Install New Software...を選択します。Addボタンを押すと、Add Siteダイアログが現れるのでAdd Siteダイアログから次のように入力します。
ツリーリストが現れたら、すべての項目にチェックしてインストールを行ってください。

EclipseにSubversiveプラグインを導入する


Subversiveは、Eclipse上でSubversionを使用するためのプラグインです。インストールにはCDT同様、New Software Update...機能を使います。
Eclipseを起動し、メニューバーから Help → Install New Software...を選択します。ダイアログのWork With プルダウンからGalileo Update Siteを選びます。ツリーリストが現れたら、Coraborationの下の"Subversive SVN Team Provider"をチェックしてインストールします。
Subversiveのインストールは、まだ完了していません。インストール後、Eclipseを再起動したら、Perspectiveアイコン(画面右上の「田」の字上のアイコン)をクリックしてOther...を選んでください。

すると、Open Perspectiveダイアログが現れます。

Open PerspectiveダイアログからSVN Repository Exploringを選んでOKを押します。すると、Subversion Connectorの選択画面が現れます。

現時点ではSVN Kit 1.3.0を選んでください。これでFinishを押すと、Eclipse関係のインストールは終了です。

SVNリポジトリの登録


TOPPERS/ASP for LPCプロジェクトからソースコードを取得するには、SVNリポジトリを設定します。上の節のSubversion Connectorのインストールのからみで、SVN Repository Explorerが開いているはずなので、右クリックして、New->Repository Location...を選びます。

ロケーションの設定ダイアログが開きますので、リポジトリのURLを書いてください。以下の図は匿名ダウンロードする場合で、プロトコルはHTTPです。通常のユーザーはこの設定で結構です。Labelは設定した方がわかりやすくなります。自分にわかりやすいラベルにしてください。ユーザー名などは不要です。
なお、リポジトリのURLは
http://svn.osdn.jp/svnroot/toppersasp4lpc
です。

開発者(当プロジェクトのメンバー)はプロトコルがHTTPSになります。また、Sourceforgeのユーザーとパスワードを指定します。URLはプロトコルがHTTPSであることを覗いて、上のURLと同じです。

リポジトリの登録が終わると、下の図のようなリストが現れます。

このリストはツリーになっており、展開することによって、自分が使いたいソース・ツリーを選ぶことができます。

ソースコードの取得


SVN Repository Explorerのリストを展開して、希望のソース・ツリーを探し出すことができます。通常用途ではリリース・ファイルを使用することをお奨めしますが、何らかの理由で開発途上のコードを使用する場合には、SVNから取得します。以下では、開発のメインラインであるTrunkから取得する方法を紹介します。
trunkの中にあるbranches/release_1_6_0/aspディレクトリを探してください。このディレクトリを右クリックして、コンテキスト・メニューからCheck Outを選べば、ソースコードの取得は完了です。とても簡単です。おわったら、branches/release_1_6_0_ubuntu_10_04もチェックアウトしてください。(これらのリリースは[http://osdn.jp/projects/toppersasp4lpc/releases/ リリース・ページ]からダウンロードすることもできます)http://osdn.jp/projects/toppersasp4lpc/releases/リリース・ページ

configuratorのビルド


Configuratorは、ASPアプリケーションのコンフィギュレーション・ファイルを解析してセマフォやタスクと言ったコードを生成するための、コード・ジェネレータです。ASPアプリケーションを開発する前に、このソフトウェアのビルドを行わなければなりません。
ConfiguratorのビルドはShellから行います。Shell画面を開いて、以下のようにコマンドを投入して実行します(ソースツリーは~/workspace下にあると仮定しています)。
  1. $ cd ~/workspace/asp/cfg
  2. $ ./configure
  3. $ make

以上でConfiguratorのビルドは終わりです。ここで一つ試しにサンプル・アプリケーションのビルドを試してみましょう。
  1. $ cd ~/workspace
  2. $ mkdir sample1
  3. $ cd sample1
  4. $ ../asp/configure -T lpc1768_generic_gcc
  5. $ make depend
  6. $ make

正常にビルドが終われば正しく環境が設定できたと言うことです。
なお、パラメータなしのmakeであればROM化用のオブジェクトが生成されます。make sram とすると、SRAM実行用のオブジェクトを生成します。